ここから本文です

沖縄の空き家、じわり増加中 「位牌継承」の壁高く 民泊で意識変化を期待

7/22(土) 7:00配信

沖縄タイムス

 「やんばるの古民家・空家活性化シンポジウム」(主催・名桜大)が13日、名護市の名桜大学で開かれた。人口の減少と新築住宅の供給過多で全国的に増えている空き家。県内では位牌(いはい)継承や改修費用の問題もあって、県外と比べて活用の意識が低いという。空き家問題に詳しい国建地域計画部の西村秀三さんが基調講演し、活用の課題や可能性を語った。沖縄本島北部の行政職員や学生ら約80人が参加した。

 県外では過疎化対策や地域再生のために空き家を活用する動きがあるが、「沖縄では活用が進んでいない印象がある」と西村さん。2013年住宅・土地統計調査(総務省)によると、県内の総住宅数は60万戸なのに対し、総世帯数は54万世帯、空き家数は6万2千戸。08年に比べて空き家は4千戸増え、県内の空き家率は10・4%(県外13・5%)という。

 県内で活用が進まない背景には、位牌継承などの問題がある。「先祖代々の家を絶やしてはいけないという観念から、貸す考えがない」と西村さんは説明する。

 住んでいなくても「空き家」という認識がなかったり、「貸したら自分が使えなくなる」という不安もあったりで、貸し手は少ないのが現状。家屋の状態にもよるが、改修に数百万円かかることもあり、借り手もなかなか手が出せない実情がある。相続者が分からず、利用できないケースも多い。

 西村さんは「関心はあるがもう一つ踏み出せない人が多い。空き家に住みたいという人がいないと不動産業者も扱えないし、裾野も広がっていかない」と指摘する。

 県内の空き家をどう活用するか。西村さんは、17年度中に成立が見込まれる民泊新法は営業日を年間180日(90泊)に制限しているとして、民泊施設にしても「90泊以外は家主も使える」と民泊のメリットを紹介した。また地方では宅地化できる土地が少ないが、空き家の活用なら移住の受け皿になり得るという。

 「居住域をコンパクトにすることで、インフラ整備や公共整備のサービスを充実させることができる。こうした考え方を頭の片隅に持って置いてほしい」と提案した。

 シンポジウムでは、古民家や空き家の活性化に取り組む伊是名村と名護市羽地地域、大宜味村の事例発表もあった。産官学の総合討論では、県外で進んでいる空き家の貸し借りをマッチングする「空き家バンク」の立ち上げのほか、学生のシェアハウスとして活用するなど、さまざまなアイデアが出された。

古民家・空き家活用の現状や課題を語るパネリストら=13日、名護市・名桜大学

最終更新:7/22(土) 7:00
沖縄タイムス