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防災アプリ、より便利に 静岡県内自治体 利用者増目指す

7/23(日) 11:50配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県内の一部自治体が数年前からスマートフォン(スマホ)やタブレット端末用防災アプリを開発・提供している。自治体独自の防災アプリ配信は県内ではまだ珍しく、利用者目線での機能改善や使い勝手の向上には課題がある。地図だけでなく、避難行動計画なども閲覧可能にして、利用者や平時利用の頻度を増やそうと自治体担当者が知恵を絞っている。

 2015年2月に配信を開始した浜松市防災アプリは、現在地や緊急避難場所などを示す地図に加え、スマホのカメラを向けた方角にある緊急避難場所を画面に表示できる施設リスト機能を搭載している。

 防災学習や普段からの備えなどを想定し、冊子として全戸配布している行政区ごとの避難行動計画もアプリで閲覧できる。

 災害発生時、家屋の下敷きになった場合などに周囲に所在地を知らせる目的でマナーモード時でも警笛音が鳴る笛機能や懐中電灯機能も備えた。

 市危機管理課の小林正人副参事兼課長補佐は「冊子の避難行動計画を市民が普段持ち歩くことは少ない。スマホなら身近に確認する機会は増えるはず」と期待する。

 下田市は県第4次地震被害想定に基づく「津波ハザードマップ」が閲覧できるアプリを14年春から配信している。1次避難地や広域避難場所なども示されている。GPS機能で現在地なども把握できる。

 観光客にターゲットを絞り、夏場は海の家にポスター掲示して旅館にチラシを配布するなど活用を促している。一方で、利用者から「GPS機能があっても土地勘のない観光客はコンビニなど目立つ施設の表記がなければ、現在地から避難場所の公共施設にたどり着けない」などの意見も市に寄せられていて、市は改善を検討している。

 富士宮市は全戸配布している防災マップのアプリ版を2016年6月から提供している。主に市民向けで、避難施設の更新など経年による変更に対応するために開発した。市危機管理局の担当者は「アプリなら冊子よりも改変が容易でコストも抑えられる」と意義を強調する。



 ■ダウンロード件数低迷 平時でも使える機能模索

 県内自治体が配信している防災アプリは、平時にも使える機能を高め、いかに利用者を増やすかが課題だ。

 防災アプリの配信開始以降のダウンロード件数は浜松市が1万2778件(6月1日時点)に上る一方、下田市は1592件(5月末時点)、富士宮市は160件(7月6日時点)にとどまる。人口規模をはじめ、アプリの用途や対象は自治体によって異なるが、富士宮市危機管理局の担当者は「予想以上に利用者が少ない」と漏らす。地元自治会などに改めて周知を図る方針という。

 防災アプリは特性上、平時に使用する機会は少ない。浜松市では市のマスコットキャラクター「出世大名家康くん」との記念撮影などの機能を有しているが、ダウンロード件数以外の利用実績や利用者の満足度などの実態は把握しづらいという。

 また、大幅な仕様変更は費用もかかる。下田市防災安全課は「普段使いの機能はない。地図を使ったウオーキング時に利用できる機能の追加も検討しているが、予算の関係上進んでいない」(担当者)と課題を挙げる。

静岡新聞社