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ハイジャンパー鈴木徹、「完璧」だった2mジャンプ ~世界パラ陸上観戦記4~

7/23(日) 10:44配信

カンパラプレス

「やった!跳んだ!」
 気づくと、そう叫んでいた。初めて目にした「2mジャンパー」の姿に、興奮が収まらなかった。すぐ脇にいたボランティアスタッフは、そんな私の様子にとびっきりの笑顔を向け、彼の成功に拍手を送ってくれていた。思わず興奮してしまった自分が少し恥ずかしかったが、やはり嬉しさの方が勝っていた――。
「WORLD Para Athletics CHAMPIONSHIPS LONDON 2017」(世界パラ陸上競技選手権大会)競技9日目の22日、男子走り高跳び(T44)の決勝が行われ、ハイジャンパー鈴木徹(SMBC日興証券)が、2m01をマークし、銅メダルを獲得した。実力を出し切れずに終わった昨年のリオデジャネイロパラリンピック後、初めての2mジャンプ。鈴木は今後への手応えを感じているようだった。

【写真】パラアスリートたち

予感させた1本目の跳躍

 この日、初跳躍となった1m85の1本目、ゆったりとした助走からリズムよく踏み切ると、鈴木の体はふわっと宙に浮き、余裕でバーを越えた。助走の一歩目から、体がマットに沈むまで、すべて完璧のように思えた。

「うわぁ、きれいだなぁ……」
 スタンドの記者席から双眼鏡で見ていた私は、ひとりそうつぶやき、初めて彼の跳躍を見た時に似た気持ちが沸き起こっていた。踏み切った後、体が宙に浮いている間、一瞬時間が止まるような感覚を覚える。子どもの頃から陸上競技の中でも走高跳が好きなのは、この「瞬間」になんとも言えない心地よさを感じるからだ。初めて見た時、鈴木の跳躍には、その「瞬間」があった。ひと目で彼の跳躍に魅了されてしまった。

 しかし、これまで世界の舞台で彼の姿を見ることができずにいた。チャンスは2度あった。2012年ロンドンパラリンピック、そして昨年のリオデジャネイロパラリンピックだ。もちろん、どちらも彼の跳躍はスケジュールに入れていた。だが、いずれも仕事の関係上、他の競技会場にいかなければならなくなり、泣く泣く断念したのだ。
「私は彼の跳躍に縁がないのかもしれない……」
 そんなふうにさえ思っていた。

 だから今大会に取材に行くと決めた時、「ようやく見れるんだ」と嬉しくて仕方なかった。陸上競技単独の大会のため、必ず見ることができるからだ。開幕前から22日が待ち遠しかった。だが、正直に言えば、このロンドンで2mジャンプを見ることができるとは思っていなかった。ちょうど3週間前の関東パラ陸上競技選手権(7月1、2日)での鈴木は、記録も1m90に終わり、インタビューでも「現在は課題克服のためにいろいろと取り組んでいるところ」と語っていたからだ。
「次につながる彼らしい跳躍が見られれば……」
 私は、そんなふうに思っていた。

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最終更新:7/23(日) 10:44
カンパラプレス