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手のひらサイズの人工衛星、関西の産学グループが製作開始 宇宙で電子部品性能テスト

7/23(日) 8:30配信

日刊工業新聞電子版

■「こうのとり」で18年度中にもISSへ

 大阪工業大学や関西のモノづくり企業などが参加する「航空宇宙振興会夢宙(むちゅう)」(大阪市北区、菊池秀明代表)は、手のひらに載る小型サイズの人工衛星の製作に着手した。今後の衛星開発への使用が期待される最新の電子部品を搭載し、宇宙空間での電子部品の性能の実証実験を行う。関西の製造業が宇宙分野へ進出する第一歩となる。

 クラウドファンディングで8月7日まで研究開発費の出資を募り、1口1万円で総額1000万円の獲得を目指す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が大型国産ロケット「H2B」で打ち上げる宇宙ステーション(ISS)用補給機「こうのとり」へ搭載し、2018年度中にもISSへ運ぶ計画。ISSから衛星を放出し、地球の上空約400キロメートルの地球周回軌道に入る計画だ。

 製作するのは10センチメートル角サイズの衛星で、夢宙に所属する約50人が共同製作する。衛星には最新型ICチップや光で電気信号を伝達する半導体「フォトカプラ」を搭載。実証実験を通じ、人工衛星の高性能化や開発費の削減を目指す。さらに地上で使われている民生用太陽電池も搭載し、宇宙耐性や放射線損傷などの評価も行う。

 夢宙は6月にJAXAと「超小型衛星の放出に関わる契約」を締結し、開発に向けた準備を進めていた。菊池代表は「民間主導の小型衛星は計画から約1年と短期間で打ち上げられるため、最新の電子部品を搭載した実験ができる」と衛星開発の意義を強調している。