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伝説の格闘家・中井祐樹は「亀田興毅とYouTuberがプロボクサーを目指す番組」をどう見るか?

7/23(日) 12:00配信

AbemaTIMES

インターネットテレビ局AbemaTV(アベマTV)で『亀田×ジョー プロボクサーへの道 ~3ヶ月でデビュー戦~』(7月23日(日)22:00~)の放送が開始した。同番組は、5月7日に行われた『亀田興毅に勝ったら1000万円』に出場し、亀田に3RTKO負けを喫したYouTuberのジョーがプロボクサーを目指す番組。第一回の放送では、亀田家の三男で元世界王者・亀田和毅とスパーリングをし、フラフラになる姿を見せた。

かつてTBS系でオンエアされていた『ガチンコ!』内の人気コーナー『ガチンコ・ファイトクラブ』を彷彿とさせる内容だが、この企画について、柔術家でパラエストラ東京代表の中井祐樹氏は何を思うか。

中井氏は、『亀田興毅に勝ったら1000万円』については格闘技への関心が高まるのであれば良いという考えはあったものの、あまりにも亀田と挑戦者3人の実力差があることに対する懸念を述べていた。「亀田さんがそれなりの手加減ができるか、そこだけが心配です。ボクシングやK-1、キックボクシングとかもそうなのですが……『打撃が危険で、組技が危険ではない』という言い方はしたくないですが、打撃の方が、脳への障害が出る可能性が高い。そこを心配しています。打撃に関しては、ラッキーパンチはなくはない。組技の方がラッキーが起こりにくいです。打撃では、意識が飛んでしまったら終わりです」

そして、こういった指摘もしていた。「それにしても、こういう企画が面白いってことになって、素人同士で叩き合うってのが当たり前になってしまうと危ない。何しろ何をどうすれば本当に危険なのか、ということが分かっていないと本当に相手に障害を与えてしまうかもしれないし、自分も身体に悪い影響が出るかもしれない。だから格闘技をやりたいのであれば『ちゃんと(道場に)入門する』というものが望まれるんじゃないですかね」

ならば、今回の『亀田×ジョー』についてはどう考えているのか。中井氏はこう語る。「リアリティショーみたいなものですよね?『ガチンコ・ファイトクラブ』は見たことがないんですよ、そもそも。まぁ、私はその時間練習をしていますのでゴールデンのテレビはほぼ見られないので、バラエティみたい番組は見ません。だから、ハッキリと番組について何かを言うことはできないですが、格闘技に関わる人間としては、今回の番組は一定の意義はあると考えています。一般の人、つまり素人がプロの選手やトレーナー経験のある人から集中的に指導を受けること、それをテレビで流すということ自体はとっつきやすいもの。こうして番組にすることにより、色々な方に、格闘技の深みみたいなのをわかってもらえる機会だと思いますね」

現在世界最大の総合格闘イベント・UFCも開始当初は、多くの人に「関節技ってこうやって決まるんだ」「こうやってノックアウトってされるものなんだ」といった知識を表面上は知らせるきっかけになった。中井氏が出場したVALE TUDO JAPAN OPEN1995は、日本の総合格闘技の幕開けともいえる大会だったが、小柄な中井氏が大柄なジェラルド・ゴルドーにヒールホールドをかけ、勝利した。この試合を観た人は「体格が全く違う選手同士が闘うとどんな展開になるか」「関節技を極めれば柔よく剛を制す」、さらには中井氏の試合後の腫れた顔を見て、格闘技の激しさを知ることはできただろう。ただし、これらはあくまでも鍛え抜かれたプロ同士のやりとりである。

今回、和毅がジョーをフラフラにさせたことにより、元世界チャンピオンの強さと、半素人との実力差を視聴者は知らされる結果となった。こういった点も含め、中井氏は「格闘技の深み」と語った。なお、中井氏は自身の指導スタイルについてはこう語る。「私のところには『こいつをチャンピオンにしてくれ!』とか『五輪の金メダリストに育ててくれ!』みたいな依頼はありません。皆、格闘技に関心を持ったり、強くなりたかったり、体を鍛えたかったり、何か発散させたい気持ちがあったりと様々な理由で柔道に入ってきます。私は道場生にも自主性を求めています。半分はこちらが用意したメニューをやってもらいますが、半分は自分自身で練習を組み立ててもらいたい。本人に考えさせることが重要だと思っています。基本、怒ることもありませんし『誤解も理解のうち』と考えています」

さて、これからジョーはどこまで強くなっていくのか。ただし、中井氏が言うように、トレーナー頼りではなく、自らの意思をもって取り組むことこそ上達に繋がることだろう。

最終更新:7/23(日) 12:00
AbemaTIMES