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酪農発祥の地・千葉、衰退に危機感 安田さん、独自飼料で支える

7/23(日) 8:19配信

千葉日報オンライン

【ちば農の人】スノー・フィード・サービス社長 安田信之さん(69)南房総市 

 酪農発祥の地の嶺岡牧がある南房総市で酪農用飼料を製造、販売、配送する。飼料はビタミン、ミネラルを混合させ、牛が必要とする栄養成分を1回の給餌に詰め合わせる。「餌の分離給与による酪農家の労働負担を軽減する。質量ともに高いレベルの乳生産を助けられる」と胸を張る。

 もともとは館山市内で主に船舶や発電機のエンジンを運送する会社の2代目社長だった。同市内の工場撤退で受注が大幅に減り、先行きに不安を抱いた。一方で担い手不足などで酪農家が減っていく現状を食い止めたい思いもあり、2004年から酪農用飼料に関わるようになった。

 地元農家の任意団体が遊休地約5ヘクタールで生産したトウモロコシやキビ。これらを買い取り、飼料へと加工、酪農家に届ける。届け先の牛舎から出たふん尿はたい肥として原料生産に活用し“循環酪農”を進める。配送はグループ会社が担う。「酪農家へは低コストで地域の安全な飼料を提供できる」と強調。農家の安定収入確保にも貢献する。

 14年11月、農業生産法人「スノー・フィード・サービス」を設立。育成牧場を開き、酪農家にも供給する乳牛、オリジナルブランド肉牛をそれぞれ育成する。毎年、畜産系列を持つ地元の県立安房拓心高校から卒業生を雇用する。

 「酪農発祥の地の衰退をストップさせ、地域農業を支えるとともに盛り上げていきたい。6次産業化や観光牧場、若手担い手の自立支援にもつなげられたら」と話している。

◇メモ

 生産を進めるオリジナルブランド肉牛は江戸時代の小説『南総里見八犬伝』にちなみ「里見伏姫牛」と名付けた。起伏のある広い放牧場で安房の牧草や井戸水で育て、この夏に館山市内の直売所で発売した。飲食店や観光客に提供し、地域の目玉とする構えだ。