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解決の糸口はあるが…救済制度使える施設、沖縄で1カ所だけ 外国人観光客の医療費未収

7/23(日) 5:00配信

沖縄タイムス

 沖縄県内の救急病院で、受け入れた外国人観光客の医療費を回収できない事態が表面化している問題で、厚生労働省は、現行の救済制度が解決の糸口になり得るとの見解を示した。ただ、制度の認知度は低く、制度の中身も使いにくいとの指摘がある。県は、厚労省の見解について確認すると同時に、県医師会が予定している再調査の結果を待って課題を整理する。

 県医師会の調査では、県内の救急病院19カ所のうち5カ所が、ことし3月末時点で827万円の未収金を抱えていることが判明。外国客が旅行保険に加入していないケースや、受診者の連絡先を把握できないケースもあり、県医師会は外国客数と未収額は今後も比例して増えるとみる。

 厚労省の救急救命センター運営事業は、「在日外国人」による未払いについて一定割合を都道府県と一緒に病院へ補助している。「在日外国人」には、住民だけでなく観光客も含まれる場合があるという。

 とはいえ、救済制度そのものが知られてないことは課題だ。同省の2015年度調査では、全国の救急病院360カ所のうち「制度を知っている」と答えたのは31・4%にとどまる。県は制度を把握しているが、利用実績は今までゼロ。制度を利用できる施設も、県内では実質的に1カ所しか該当しない。

 外国人観光客の受診が沖縄同様に急増しているという大阪府では、15年7~9月に322人が府内で救急受診した。医療機関129カ所のうち88%が未払い金のリスクを懸念しているという。府は、救急救命センター以外は対象にならないことや、府の財政負担を伴うことから、救済制度には課題が残るとみる。

 県医療政策課は、県内の医療機関が外国人観光客の受け入れに苦慮している現状を踏まえ「観光部局と連携を取り、スピード感を持って課題を整理したい」と話している。

最終更新:7/23(日) 5:00
沖縄タイムス