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ヘッジファンド、「万物の支配者」から「悪者」に転落-QuickTake

7/19(水) 6:38配信

Bloomberg

かつてヘッジファンドは万物の支配者だった。2005年前後までヘッジファンド・マネジャーらは、巨額な投資を行い高い報酬を得て、昔ながらのバンカーに代わり花形となっていた。

そもそもヘッジファンドという名称は、相場の上げ下げの双方に賭けるヘッジ取引にちなんで付けられた。伝説的なヘッジファンド・マネジャーたちは豪邸や芸術作品、政治運動に大枚をはたき、連続テレビ番組の生みの親にもなった。ヘッジファンド・マネジャーの中には好機を捉えることで大儲けした者もいたが、その富の源は高額の手数料だった。「オルタナティブ」投資という言葉が持つ一種の神秘性が、より多くの貯蓄家を引きつけた。

ところが事態は一変した。ヘッジファンド業界は過当競争となり、多くのファンドが利益を上げられなくなった。時を同じくして、ゼロ近辺の金利を背景に世界的な株価が急伸し、投資家はヘッジファンドに背を向け始めた。今では、この3兆ドル規模のヘッジファンド業界は、伝説的投資家ウォーレン・バフェット氏から大学生に至る多くの人から、高額の手数料は暴利だとして悪者扱いされている。

現状

現在、投資家は手数料を引き下げなければ資金を引き揚げると、ヘッジファンドに圧力をかけている。16年には、金融危機後初めてファンドからの資金流出が流入を上回った。流出額は計700億ドルで、資産全体の約2.5%にあたる。イリノイ州、ニューヨーク州、ケンタッキー州、ロードアイランド州など、米国の州の年金基金はヘッジファンド投資を手仕舞うか、縮小した。

こうした動きのきっかけになったのは、全米最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)だった。カルパースは、ヘッジファンドは手数料が高過ぎる上にあまりにも複雑だという結論を下し、14年に資金を引き揚げ始めた。大学基金、財団、保険会社も追随したため、閉鎖に追い込まれるヘッジファンドが増えた。

ファンドの過去数十年間の平均年リターンが15%に達していたベテランのヘッジファンド・マネジャー、リチャード・ペリー氏は自身の投資スタイルがもはや通用しないと述べて、負けを認めた。ゴールドマン・サックス・グループでやり手のトレーダーとして鳴らしたエリック・ミンディッチ氏も、自身のヘッジファンドを閉鎖した。16年までの8年間、ヘッジファンドの平均リターンは株式のリターンの約4分の1にとどまり、主要債券指数も下回った。

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最終更新:7/19(水) 6:38
Bloomberg