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必要性を願って、社名を「ホワイト」にします――述語を書き忘れない:文章力養成講座

7/24(月) 6:10配信

@IT

 「要件定義書」「提案依頼書」「テスト仕様書」――エンジニアは業務でさまざまな文章を書きます。しかし、文章力が足りないと、無駄なことをたくさん書いてしまったり、考えているのとは違うことを書いてしまったり、頭の中にあった大事なことを書きもらしてしまったりしがちです。

【喜びなんです】

 連載「エンジニアのための文章力養成講座」、第6回は前回に引き続き、「述語」の使い方を鍛えます。文章力を身に付けて、より良いエンジニアライフを送りましょう。

●「ご記入いただく場所は検収印をお願いします」

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間違い
ご記入いただく場所は、お客さまの住所と社名の場所へ検収印をお願い致します。

正しい
ご記入いただく場所は、お客さまの住所と社名の欄です。そこにご記入の上、検収印をお願い致します。
お客さまの住所と社名の欄にご記入の上、検収印をお願い致します。
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 ここでは、「ご記入いただく場所は」を受ける述語が脱落していました。

 1つ目の改善案では、「欄です」という述語を補いましたが、むしろ「ご記入いただく場所は」を削除した2つ目の改善案の方が簡潔です。「ご記入」を2度書く無駄を省いたのです。

●「喜びを高めたい」

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間違い
私がExcel VBAであるプログラムを作ったところ、とても誉めていただきました。その時、人の役に立てた喜びと同時に、IT技術をさらに高めたいと思いました。

正しい
私がExcel VBAであるプログラムを作ったところ、とても誉めていただきました。その時、人の役に立てた喜びを感じると同時に、IT技術をさらに高めたいと思いました。
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 「喜び」を受ける述語「感じる」を補いました。

●「必要性を願って『ホワイト』にします」

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間違い
弊社の新たなイメージを打ち出す必要性と、その向上を願うべく、社名を「ホワイト・コーポレーション」に変更致します。

正しい
弊社の新たなイメージを打ち出し、その向上を願うべく、社名を「ホワイト・コーポレーション」に変更致します。
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 間違いの文章は、「必要性」を受ける述語がありませんでした。「(主語)必要性を(述語)願う」では意味を成しません。この場合は「打ち出し」とすれば、「必要性」を持ち出すまでもありませんでした。

 連載「エンジニアのための文章力養成講座」は毎週木曜日掲載です。次回(7月27日掲載)は、「ことだ」の使い方をミッチリ鍛えます。


●書籍

文章力を伸ばす書くことが、これでとても楽になる81のポイント

阿部紘久著 日本実業出版社 1404円(税込み)

文章力を磨くとは、考える力を磨くこと。「書く力は、考える力そのもの」「受け手発想で書く」「意味の狭い言葉を使う」「長文を書くポイント」など、文章を書くときに大事なことだけれど、なかなか教わることがない81のポイントを、多くの文例と共に分かりやすく解説する。

「エンジニアのための文章力養成講座」は、書籍「文章力を伸ばす 書くことが、これでとても楽になる81のポイント」(阿部紘久著 日本実業出版社)を基に、出版社と筆者の許可を得て、@IT読者向けに再構成したものです


●筆者

阿部紘久

エッセイスト(元国際ビジネスマン)
帝人、米国系企業CEOを経て、2005年から昭和女子大学ライティング・サポートセンターで文章指導を行う。社会人も指導している。
主な著書に『文章力の基本』(日本実業出版社)、『文章力の基本100題』(光文社)、『シンプルに書く! 伝わる文章術』(飛鳥新社)などがある。

最終更新:7/24(月) 6:10
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