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小型株に悲観論、利益減少や税制改革の遅延で=今週の米株式市場

7/24(月) 6:29配信

ロイター

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米株式市場では、一部投資家の間で小型株への楽観論が急速に後退している。小型株は昨年11月8日の大統領選挙以降、米株相場をけん引してきたが、利益見通しの悪化や税制改革の遅延、最近の資金流出などに直面している。

ジェフリーズの株式ストラテジスト、スティーブン・デサンクティス氏は「下方リスクがある。利益の数字は良くなく、割高感もかなり強い」と指摘した。

投資家は、共和党のトランプ政権が約束している積極的な減税や経済の健全化により、国内への集中度の高い小型株が恩恵を受けると期待していた。

ただ、共和党は現時点で「オバマケア」の代替法案を議会通過させることができておらず、年内の税制改革実施を不安視する見方につながっている。ヌビーン・アセットマネジメントによると、小型株の実効税率は約32%と、大型株の26%を上回る。

米小型株の指標であるラッセル2000指数<.RUT>とS&P小型株600<.SPCY>は、年初から大型株に遅れを取っている。ただ、ラッセル2000は大統領選後の上昇率が20.3%と、S&P総合500種<.SPX>の15.3%を上回っている。決算シーズンの中、これら3つの指数はいずれも最近の取引で最高値を更新した。

だが、トムソン・ロイターのデータによると、S&P小型株600企業のアナリスト予想利益は8.3%減少。一般消費財、エネルギー、ヘルスケア企業の決算内容の悪化が背景となった。

同社のシニア調査アナリスト、デービッド・アウレリオ氏によると、消費関連企業ではアパレル、アクセサリー、高級品などの小売企業の決算が悪化する見込みだという。

小型のエネルギーセクターでは、サービスや機器会社が大企業によるプロジェクト縮小の影響を引き続き受けている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(ニューヨーク)の米株シニアストラテジスト、ダン・スズキ氏は「小型株の利益の伸びは最近4年にわたり、大型株の後を追ってきた。今年上期も同様となるだろう」と述べた。

これは、メリルリンチが「割高な相場で最も割高なセグメント」と呼ぶ小型株のバリュエーションの尺度にとって、良い兆候とは言えない。

ラッセル2000は、トムソン・ロイターのデータストリームのデータによると予想利益の約26倍の水準で取引されており、これは平均の約21倍を上回る。S&P500種は約17.3倍で、これも平均を超えている。

アナリストらが小型株の利益について、下期に回復を見込む一方、一部ストラテジストの間では米経済成長が鈍化する中で高い期待は続かないとの見方が出ている。

大型株は最近のドル安から恩恵を受けてきた。クレディ・スイスのチーフ米株ストラテジスト、Lori Calvasina氏はリポートで「大型・中型株が小型株より業績予想の大幅な上方修正が多いのはこのためだろう」との見方を示した。

最近のファンドのデータも、トレンドの悪化を示している。リッパーによると、米国に拠点を置く小型株ファンドは5週連続で流出超となった。

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最終更新:8/5(土) 1:49
ロイター