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資本金1円の上場企業が登場、これってどういうこと?

7/25(火) 8:00配信

THE PAGE

 上場企業でありながら、資本金が何と1円という会社が出てきました。これはどういうことなのでしょうか。また1円という資本金で上場し続けることはできるのでしょうか。

 資本金が1円になったのは、ジャスダックに上場するホテル運営企業レッド・プラネット・ジャパンです。同社は業績不振で赤字が続いており、直近の決算である2016年12月期についても、当期純損益が15億円の赤字でした。企業が赤字を出した場合、その分については自己資本で処理する必要があり、場合によっては減資などの措置が実施されます。

 同社も累積の損失が続き、剰余金を食いつぶした状況となったことから、2月に行われた株主総会では剰余金の処分と減資の決議が行われました。ところが、その減資の議案は、単純に損失を処理するだけでなく、資本金を1円にするというものまで含まれており、総会の決議によって同社の資本金は1円となりました。しかし、実際には勘定科目を資本金から資本準備金に切り替えただけであり、自己資本の実態は何も変わっていません。

 なぜわざわざ、このような決議を行って、資本金を1円にしたのかというと、それは外形標準課税を節税するためです。外形標準課税は、赤字企業でも課税できるようにという観点から、利益に対してではなく、資本に対して課税する税金で2004年に導入されました。しかし、資本金1億円以下の企業には外形標準課税は適用されませんし、これ以外にも多くの税制優遇が存在します。資本金を見かけ上1円にして、これを資本準備金に振り替えれば、税制面で有利になるわけです。

 一昨年、経営危機に陥ったシャープが、外形標準課税を回避するため、あえて1億円に減資するプランを掲げましたが、批判が殺到。これを撤回したという出来事がありました。今回の措置も、基本的にはこれと同じメカニズムになります。

 確かにルールの隙を突くやり方であまり好ましいものとはいえませんが、この問題は、どちらかというと制度の方に不備があると考えるべきでしょう。諸外国では株主資本は株主資本という科目で一括して取り扱われることが多いのですが、日本では資本金、資本剰余金、利益剰余金など(さらに細かい括りでは資本準備金、利益準備金など)科目が非常に煩雑です。一方で、外形標準課税や税制優遇はあくまで資本金の額で基準が決められています。経営の実態に即した条件を設定していれば、こうした節税行為は発生しなかったはずです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/30(日) 6:08
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