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UASFのリスク検証「2017年8月1日、ビットコインは分裂するのか?」

7/24(月) 12:10配信

ZUU online

「ビットコインが分裂するかもしれない」という話題で、仮想通貨市場は持ち切りだ。ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策として、「フラッグ・デー(2017年8月1日)」に実装されると報じられているUASFとは一体何なのか?またUASFの実装により生じうるリスクや対応策を検証する。

■強制的に非Segwitブロックを拒絶する「UASF」

「UASF(User Activated Soft Fork)」とは、ビットコイン改善案をまとめた「BIP(Bitcoin Improvement Proposal )148」で提案されている、ユーザー主導型のアクティベート法だ。

一言にまとめると「取引サイズを圧縮するSegwitを支持していないブロックを、ブロックチェーンに追加しない」という、スケーラビリティ問題の解決策である。

UASFを実装することで、マイナーによる支持率に関係なく、強制的に非Segwitブロックを拒否するという試みだ。しかしSegwitの支持が少数派に留まった場合、ブロックチェーンが2つに分裂し、新旧2種類のビットコインが誕生するといわれている。

ソフトフォークが情報量に変更を加えるのに対し、ハードフォークは容量自体を拡張するため、互換性を持たないというのがその原因だ。

■出口の見えないスケーラビリティ問題をSegwitが解決?

スケーラビリティ問題はビットコインが抱える最大の難関とされている。ビットコインの常時ユーザーが1,000万人を突破したといわれる現在(CoinTelegraph2016年調査)、取引環境は開発当初から大きく様変わりした。

2010年に安全性を高める意図で、ブロックサイズが1MBに縮小されたにも関わらず、取引量はますます増えていく。当然ながらネットワークに過度の負担がかかり、「取引速度が遅い」「取引が拒否される」といった問題が報告され始めた。

需要に合わせて、ビットコインのエコシステム自体をアップグレードする必要があるのは一目瞭然だ。

そこで新星のごとく登場したのがSegwitである。「ブロックサイズを拡張するのではなく取引サイズを圧縮する」という発想で、現時点では最も現実的な対応策の一つとされている反面、実行をリスク視する声も多数聞こえる。

■ビットコイン分裂で生じるトラブルとは?

懸念されている最大のリスクとは、前述したビットコインの分岐である。Segwitがこれまで実装されなかった背景には、ソフトフォーク支持派とハードフォーク支持派の対立関係がある。

2017年6月30日現在のマイナーによるSegwitの支持率は40.6%、可決の基準とされる95%とは程遠い。フラッグ・デーまでに支持率が2倍以上に伸びる可能性は、極めて低い。この状況でUASFが執行されれば、ビットコインの分裂は避けられないだろう。

ビットコイン・マガジンのライター、アーロン・ヴィードム氏曰く、2種類のビットコインは共にブロックチェーン上に記録されるが、「ウォレットなどで新旧のコインを別々に分けない限り、消滅のリスクは免れない」という。

これはどういうことかというと、UASF発生後には「reorg」と呼ばれるチェーンの再編(reorganization)現象が起きる。このプロセス自体は日常的に繰り返されている自然な現象だが、分岐したチェーンは長さによって再編され、短いチェーンは削除される。

つまり「短いチェーンに記録された取引データが消滅する可能性がある」というリスクをはらんでいることになる。またこのような混乱が、ビットコインの暴落を引き起こすことも予想される。

■Segwit2xが実装されれば、分裂のリスクはなくなる?

UASFのリスクに対する懸念から、フラッグ・デー後に無効ブロックを有効化するUAHF(User Activated Hard Fork)といった提案も出ているが、現時点ではSegwit導入後にブロックサイズを2倍に拡張するハードフォーク「Segwit2x」の支持率が圧倒的に高い。

デジタル・カレンシー・グループによる2017年5月の発表では、ビットコインのハッシュパワーの83.28%を握る世界21ヵ国、56の仮想通貨企業が、Segwit2xの採用に合意したそうだ。

「Segwit2x」が予定通り2017年7月21日にシグナリングを開始すれば、UASF同様、非Segwitブロックを切り離すことになるため、8月にUASFが実施されても分裂の心配がなくなる。強いては、UASF実施の必要性自体がなくなるという説もでている。

さまざまな情報が飛び交うなか、肝心のユーザーはどことなく蚊帳の外といった感も否めない。フラッグ・デーにむけ、今後さらなる進展が見られると予想される。

リスクを避けるために一旦ビットコインを売却する、あるいはハード・ウォレットに移動させるといった動きが用心深いユーザー間でみられる。

これまでもビットコインの技術的な試行錯誤は続いてきたが、今回のフラッグ・デーに関連したイベントはビットコインにとって大きなマイルストーンとなりそうだ。(提供:Innovation Hub)

最終更新:7/24(月) 12:10
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