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【巨人】最速155キロ・畠、もう一つの魅力は「ふてぶてしい内角攻め」

7/25(火) 14:03配信

スポーツ報知

 巨人のドラフト2位右腕・畠世周投手(23)=近大=が、19日の中日戦(ナゴヤD)でプロ2度目の先発登板で8回途中2失点と好投し初勝利を挙げた。上位浮上へのカギになるニューヒーローの誕生。右肘手術を乗り越えた最速155キロ右腕をアマチュア時代に担当していた益田明典スカウト(51)が、獲得までの経緯や本人の性格について語った。(取材・構成=長井 毅)

 畠はドラフト会議後の昨秋、右肘遊離軟骨の痛みを発症した。「試合でけがをした瞬間、僕の野球人生は終わったなと直感で思いました。腕が動かなかったんです」と本人は不安に襲われていたが、益田スカウトは冷静だった。ドラフト前の時点で手術の可能性は分かっていたが、他球団が上位指名を回避する一方、巨人は2位で指名した。その背景には「重症ではない」という益田スカウトの判断と「近い将来ローテに入って2桁勝てる素材」という自信に裏付けられていた。

 「4年秋の(関西学生)リーグ戦が開幕する時に(近大の田中秀昌)監督から『右肘にねずみ(遊離軟骨)がある』と聞いた。水がたまって炎症が起きると厄介だと思ったけど、今の医療技術ならクリーニング手術をすれば大丈夫だと思っていた。開幕には間に合わないけど、夏には出てくると思っていた。予定通りです」

 畠は4月の3軍戦でプロ初登板。最速155キロを計測し、潜在能力の高さを感じさせた。その後は6月に2軍戦でプロ初勝利。交流戦後、チャンスが巡ってきた。1軍初登板となった7月6日の広島戦(マツダ)は4回4失点だったが、19日の中日戦で初勝利を挙げた。

 学生時代は最速152キロを誇る直球と多彩な変化球を武器に、3年秋に関西学生リーグタイとなる3戦連続完封をマークした。各球団のスカウト陣が熱視線を送る中、益田スカウトが畠にほれ込んだ試合があった。16年8月23日の日本新薬とのオープン戦(生駒グラウンド)。ここでノーヒットノーランを達成した姿を目の当たりにした。

 「相手は若い選手も出ていてベストメンバーじゃなかったけど格上の社会人。真っすぐもよかったし、(3年秋に)3連続完封した時の投球が戻ってきたと感じた。そこで大器の片りんていうのが見えた。すぐに山下さん(前スカウト部長)に電話して『こいつは何か持ってますよ』って話したのを覚えています」

 畠の最大の魅力はスピンの効いた糸を引くような直球だが、加えて性格もプロ向きだというのを感じ取っていた。

 「内角にひょうひょうとした表情でズバッズバッと投げ込めていた。性格の弱い投手じゃ無理。プロでは外一辺倒じゃだめ。内角に真っすぐを投げる技術と勇気は絶対に必要。彼のいいところはそこだった。ふてぶてしい性格は上原のようでね、あれくらいの投手になれる器はある」と90年代後半に担当した上原浩治(現カブス)を引き合いに出して、期待を寄せた。

 スカウト歴25年目の益田スカウトには追いかけている夢がある。

 「担当してきた上原、條辺(剛)、金刃(現楽天)、今村、田口が(巨人で)挙げた勝ち星が今160勝くらい。田口は先発の軸でローテを回っているし、畠もここに加わってほしい。担当投手の勝利数が合算で200勝になればスカウト冥利に尽きる。一つでも多く勝ってチームの優勝に貢献してもらいたいです」

 プロの第一歩を記した“息子”のさらなる活躍を願っている。

 ◆畠の術後経過

 ▼1月 新人合同自主トレは別メニューで走り込み中心だったが、中旬にはネットスローを再開

 ▼2月 宮崎での3軍2次キャンプで14日に初めてブルペン入りし傾斜を使って投球

 ▼4月2日 3軍でオリックスとの非公式試合でプロ初登板して2回無失点と好投。最速155キロを計時

 ▼同22日 3軍対BC栃木戦(小山)でプロ入り後初勝利。

 ▼同30日 ファーム交流戦・阪神戦(G球場)で5回無失点の公式戦デビュー

 ▼6月8日 イースタン・西武戦(G球場)で5回無失点で公式戦初勝利

 ▼7月6日 広島戦(マツダ)で1軍デビューも4回4失点でKO

 ▼同19日 中日戦(ナゴヤD)で8回途中2失点でプロ初勝利

 ◆畠 世周(はたけ・せいしゅう)1994年5月31日、広島・呉市生まれ。23歳。川尻中では軟式野球部でプレー。近大福山高ではエースとして3年夏の広島大会で16強。近大では3年秋に3試合連続完封を記録。「世周」の由来は「世の中が自分の良い方に回るように」という意味が込められている。186センチ、80キロ。右投左打。年俸1200万円。

最終更新:7/26(水) 11:38
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