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自分で毛を抜く「抜毛症」という病

7/24(月) 22:10配信

STORYS.JP

--- Yahoo!ニュース・ライフカテゴリに配信するメディアが多数ある中で、私たちのメディアからは、世の人々の暮らしをリアルに紐解くために、一個人の人生にスポットを当てて記事をお届けしたい。---

自分で自分の毛を抜いてしまう、「抜毛症」という病をご存知だろうか?
本日は、抜毛症を患った一人の女性をご紹介したい。

発毛業界に携わっていたことがあるこの女性は、ストレス・加齢・病気といった事で薄毛に悩まれている方を、老若男女問わずケアしていた。
その女性が、思いもがけず抜毛症になった。

“きっかけは正直、分かりません。気付けば髪をほどく時にグーッと引っ張って頭頂部が痛い、と感じるような仕草が癖になっていました。
その頃は仕事に追われながらも、笑って大丈夫なフリを立場上ずっとしなくてはならず、気持ちが追いやられていたように今は思います。”

女性が気付いた頃には、頭頂部の分け目は際立つようになっていた。
しかし、このままで頭髪が無くなってしまうと分かっていながら、女性は引っ張る癖をやめられなかった。

“どうしても引っこ抜きたい時には、頭の髪ではなく首から下の毛を抜くようになりました。
抜いても抜いても人にはバレずに済むので安心してしまい、常にほとんど首から下の毛はない状態になっていました。
仕事中、休憩でお手洗いに行くたびにボーッとして何も考えずブチブチ抜ける分だけ抜いていました。”

原因不明の症状がつづく。しかし、ある時、仕事の部署が変わった事で変化が見え始めたという。

“仕事の部署が変わり環境もガラリと変化したことに合わさって、気持ちも落ち着いてきました。未だに頭頂部の髪の留め方は、毎日意識してしまい、髪をおろしたまま出掛けることに勇気が出ません。もし髪を下ろしたまま出掛けても、電車に乗った時には周囲に人が多く心配になり髪を留めてしまいます。エスカレーターで後ろに人に立たれると、見られているような気がして、未だに逃げるように歩いてしまいます。ですが、抜く癖自体は、本当に自分の気持ちや心にゆとりが出来た瞬間から、抑えれるようになりました。”

女性は抜毛症になった事を今振り返り、こう語る。

“抜毛症はなった人にしか分からないと改めて思います。抜毛症ではない人からすれば、悩むくらいなら抜かなければ良いのに。それで終わりです。毛を抜く痛みで気持ちを一瞬紛らわす、それが辞められないだけで、抜きたい訳では無い。その事を理解し、相談出来る病院がもっと増えていけばと思っています。”

米国精神医学会の発行する精神障害の診断と統計マニュアル「DSM」の第5版(2013年5月18日に出版)によると、「抜毛症」は、強迫性障害に関連する病気として位置付けられている。

...世間的に、頭髪が薄いことをからかう風潮が存在しているように思われる。
しかし、それは、その人が心の中で助けを求めている、一つのサインなのかもしれない。

最終更新:7/24(月) 22:10
STORYS.JP

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