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中国系アルミ板メーカー、自動車用パネルへの参入加速

7/24(月) 6:02配信

鉄鋼新聞

 【上海発=遊佐鉄平】中国のアルミ板圧延メーカーが、自動車用アルミパネル市場への参入を急いでいる。環境対策を進める中国は、昨年のHV・EV販売台数が35万台に達するなど世界最大の環境対応車マーケットに成長しており、軽量化のために自動車メーカーがアルミパネルを採用する事例も増加してきた。こうした環境下、中国系アルミ圧延メーカーは現地自動車メーカーへの販売を強化している。

 中国アルミ業グループはアルミパネルの生産を2年ほど前から本格化しており、複数の現地系自動車メーカーへ納入の実績を持つ。グループの研究施設では、自動車のアルミ化に向けた部材開発の研究を進めており、「米国やロシアのアルミ関係企業との共同研究を進めている」(中国アルミ業関係者)とした。
 中国に8拠点で合計65万トンのアルミ板生産能力を有する河南明泰アルミ業は、現地のEV大手への量産が決まり、昨年10月から出荷が始まった。「現在は月2千トン程度出荷できるまでになってきた。中国政府が進めるEV優遇が加速すれば、さらに数量が増えていく可能性が高い」(河南明泰アルミ業営業担当者)と説明。今後は、日系や欧米系自動車メーカーへの採用に向けてサンプル出荷などを積極化していく方針を示している。
 河南省鄭州市に年産能力30万トン級のアルミ板工場を持つ河南中孚実業は、すでにインナーパネルを現地系自動車メーカー向けに量産をスタートさせている。「今後はアウターパネルでも採用されるように、自動車メーカーと共同で研究開発を進めていきたい」(河南中孚技術センター総経理)と意欲的だ。
 南部の広西チワン族自治区の南寧に工場を有する南南アルミ加工(アルナン)も現地系自動車大手への営業を強めており「多くの中国系自動車メーカーでテストに入っている。そのうちの1社について来年上期中には、量産に移行できるとみている」(アルナン自動車材営業担当者)とする。
 天津に拠点を置く天津忠旺アルミ業も「缶材用の第2ライン立ち上げが最優先事項だが、自動車の軽量化ニーズには、生産技術の向上も含めて積極的に取り組んでいく」(天津忠旺製造担当者)としている。
 2020年にはアルミパネルの需要が30万トンに達すると予想される中国市場においては、米ノベリス(江蘇省常州市)や神戸製鋼所(天津市)が年産能力10万トン規模の最終仕上げ工場を建設し、すでに量産体制に入っている。中国系アルミ圧延メーカーは先行する2社を追撃すべく、まずは現地系自動車メーカーへの採用活動を進めて技術力を蓄え、最終的には日系や欧米軽自動車メーカーへの採用を目指していく考えだ。

最終更新:7/24(月) 6:02
鉄鋼新聞