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復刻連載「北のサラムたち1」第23回 40年目のSOS 在日帰国者一家の物語(7) “終わり”の見えない支援に悩む中国朝鮮族

7/24(月) 15:04配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

大事な話があります――。

2000年8月、中国での取材中のことだった。Kさんから連絡を受けて私は取材を早々と切り上げ、Kさんの住む北朝鮮国境近くの街・延吉市に向かった。
Kさんは中国籍朝鮮人=朝鮮族である。年齢はこのとき35歳。山菜の卸しなどの小商いを生業として質素に暮らしてきた。このKさんが、元在日帰国者難民・李昌成さん一家4人の中国での保護者である。

1998年2月に昌成さん一家は国境の川・豆満江を越え中国に逃れた。ずぶ濡れのまま飛び込んだ一軒の見知らぬ農家がKさんの知人の家だった。何とか助けてほしいと懇願する浅黒く痩せこけた一家を、この農家の主人はKさんに預けることにした。国境そばの村は警戒が厳しく、公安や国境警備兵が頻繁に家を訪ねてくるからだ。

「しばらくうちにいなさい」

連絡を受けた人のよいKさんは自宅の一部屋を提供した。「しばらく」は、その後2年近い月日となる。

縁もゆかりもない、見ず知らずの昌成さん一家を、Kさんが一時的に保護することにしたのは、
「日本の親戚と連絡が取れれば援助してくれるはずだから、それまで何とか匿ってほしい」
と懇願されたからだ。

Kさんは長く飢えた暮らしをしてきた四人に、食事だけは存分に食べてもらおうと気を遣った。「五年間食べていない」という肉もふんだんに出してあげた。しかし、同情にも限度がある。中国語を解さない北朝鮮難民には、働ける場所もほとんどない。外出もままならないので「食っちゃ寝」するだけだ。
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