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家事代行サービス、新たなニーズ 予想外のメリット

7/24(月) 8:09配信

福井新聞ONLINE

 働く女性の負担を減らす家事代行サービスが福井県内でも普及し始めている。利用者からは「家事のストレスがなくなり、家族関係が良好になった」といった声も出ている。一方、高齢の親を心配する県外に住む子どもからの依頼も増えており、幅広い役割を担っている。

 ■2時間で掃除

 家事代行サービス「スマイル」(福井市)のスタッフは、合鍵で依頼主の家の中に入り、2時間かけて台所や風呂、トイレ、和室、リビングなどを手際よく掃除する。最後はこの日の作業内容や、「お風邪などひかぬようにしてください」といったメッセージを添えたA4判の紙を置いて現場を後にする。利用回数、内容にもよるが、料金は2時間で5千円前後だ。

 育児休暇が終わるのを機に、2年前から月に1度、サービスを利用している福井市の女性(39)は「会社から帰ったとき、きれいに整理されていて気持ちいい。日ごろは掃除をしない場所もしてくれるのでありがたい」と喜ぶ。

 整頓されていると、ものを散らかしがちな夫も、片付けるようになったという。女性は「日常のささいな『イラッ』が減った。周りの人にもサービス利用を進めている」と話す。

  ■行政支援

 同社は2012年に設立。1年目の利用者は数世帯だったが、現在は福井市、坂井市、鯖江市など約100世帯に上る。全国家事代行サービス協会は「以前の利用者は富裕層ばかりだったが、国が女性活躍推進を掲げていることなどを受け、裾野が広がっている」とし、今後も市場は伸びると見通す。

 家事代行は、無人の家に業者が入るケースが多く、鍵の管理や破損・盗難などに関する心配の声もある。こうした不安を解消するため、同協会は本年度、事業者の認証制度を導入。日本規格協会という第三者機関が現地で審査し、評価するシステムだ。

 行政も支援に乗り出した。県は本年度、モデル事業として、福利厚生制度に家事代行サービスを導入する企業3社に補助する。現在、企業を募集している。

  ■変化に気付く

 家事代行は「働く女性支援」ばかりが強調されがちだが、県内では少し事情が違うようだ。スマイルの片山貴之社長(43)は「依頼主の6割は共働きだが、最近は高齢世帯が増えている。親の健康状態などを心配する県外の子どもからの依頼が多い」。

 高齢者宅にも出向く女性スタッフは「せきが多かったり、声がかすれていたり、テーブルに薬が置いてあったりといった小さな変化に気付くことがある」と話す。雪の日には、玄関先の雪かきを手伝うこともある。

 国勢調査によると、15年の県内の高齢単身世帯は2万7161世帯で、00年比で1万2371世帯増。高齢夫婦世帯(ともに65歳以上)も急増しており、15年は2万6987世帯に上る。

 片山社長は「家事代行に限定せず、行政などと連携しながら、高齢者の見守り活動を行う民生委員のような役割を果たしていければ」と話している。

福井新聞社