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消費者の“炎上ポリス化“時代 相次ぐ不適切CM騒動はどこへ向かうのか

7/24(月) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

企業や自治体が制作したテレビCMやPR動画に対して、SNSなどで投稿者の批判が集中する「炎上」が止まらない。サントリーが公開した「頂」(いただき)のPR動画は、性的なイメージを想起させる表現に批判が集まり、公開翌日に削除された。一方で、ほぼ同時期に公開された宮城県の観光PR動画は、「エロ系動画」などとして拡散され、再生回数は220万回に届こうとしている。

【画像】近年、女性を描いたCMや動画の炎上が続く。

近年の炎上CMは女性の描き方に非難が集中するケースが多く、企業側は問題が起きればすぐに削除する構図が定着しつつある。確信犯的な表現が消費者に拒絶された例もあるが、一方で過去に消えたCMの中には、肯定的な反応も。SNSによる強力な情報の拡散が可能な一方、ともすれば、炎上事案を捜し回る”炎上ポリス”化しがちな現代。いつまで騒ぎは繰り返されるのか。

チカラのある動画にはある程度の制作費が必要

「動画の需要は増えている。テレビCMだけでなくホームページ上に置きたいというクライアントからのニーズもある。低予算で作ってくれという安易なリクエストもあるだろう」

電通のクリエーティブ・ディレクターとして30年以上にわたって広告制作に携わり、現在は上智大学で広告学の講師も務める、ブランドア代表の藤島淳氏は、インターネットの動画配信が普及したことで、広告の制作環境に変化が生じていると指摘する。

「ただ、一つ言えることは、ちゃんと世の中で認知され、受け手側に訴えるチカラをもつ動画は、ある程度の制作費をかけないとできないということ。予算がない中で好きな動画を作ってと言われたら、断るべきだ。話題を呼ぶにしてもやり方を間違えると、企業も商品も双方のブランドを毀損しかねない」

ネット上には広告に限らず、無数の動画が存在し、消費者の時間の奪い合いが繰り広げられている。あえて性的な表現に踏み込むなど、「炎上」により、注目を集める「炎上商法」なのではとの指摘もあるが、藤島氏は「論外」と断じる。

「広告会社は、クライアントである企業の商品のブランド価値を高め、高めた結果として商品も売れ企業の名が上がるという、長い目で見ていい関係になることを一番に考えるもの。話題になればそれでいいという、炎上商法的な『やり逃げ』はあり得ない」と、その手法のリスクを指摘する。

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最終更新:7/24(月) 16:56
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