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AlphaBay・Hansa大手闇市場が閉鎖 (2) 閉鎖の効果を拡大した「国際的な捜査戦略」

7/24(月) 11:41配信

THE ZERO/ONE

2017年7月20日(現地時間)、ダークウェブの大手闇市場「Hansa Market(以下Hansa)」が当局の手により閉鎖された。最大手のAlphaBay(アルファベイ)が突如として消滅して以降、Hansaは「次の闇市場をリードする最有力候補のひとつ」だと予想されていたのだが(※1)、ここに来て状況は一変した。まずはHansa(ハンザ)に何が起きたのかを確認していこう。
 
※1…ユーロポールはHansaが「ダークウェブの闇市場の第3位」だったと説明している。ただし1位を独走するAlphaBayと、2位以降のマーケットの間には大きな隔たりがあったので、「HansaがAlphaBayの後釜になれる」と考えた人はそれほど多くなかったかもしれない。「短期間の話で言うなら、とりあえず避難先として選ばれるのはDream MarketかHansaだろうが、長期的に考えるならば違う結果になりそうだ」という意見もあった。

1ヵ月前から当局の手に渡っていたHansa

2017年7月20日、Hansaのページには「このサイトは当局に押収された」と伝えるメッセージが表示された。その同日、欧州刑事警察機構は「MASSIVE BLOW TO CRIMINAL DARK WEB ACTIVITIES AFTER GLOBALLY COORDINATED OPERATION(直訳/国際的な協調作戦でダークウェブの犯罪行為に大打撃)」と題されたプレスリリースを発表した。この文書の冒頭で、欧州刑事警察機構(以下ユーロポール)は次のように説明している。
 
・数ヵ月間にわたる準備と協調により、本日2017年7月20日、最大級の犯罪ダークウェブ市場のうちの2つ(AlphaBayとHansa)がテイクダウン(※2)された
・薬物、銃器、サイバー犯罪用のマルウェアなど、35万点以上の違法商品の取引を担う闇の犯罪経済活動の基盤を閉鎖へ追い込んだのは、米連邦捜査局(FBI)、米麻薬取締局(DEA)、そしてユーロポールの支援を受けたオランダ警察によって率いられた大規模な2つの法執行作戦だった
・欧州と米国が協調した今回の活動は、これまでに見られてきた「オンラインの犯罪行為との戦い」の中で最も洗練されたテイクダウンのひとつに位置づけられるものである。

つまり7月5日のAlphaBayの閉鎖と7月20日のHansaの閉鎖は、「数ヵ月がかりで準備されていた、2つの『闇市場の摘発作戦』が協調した成果」だったということになる。

このプレスリリースには、Hansaを閉鎖に追い込んだ作戦に関する詳しい記述もある。まずユーロポールは2016年、Hansaの侵入捜査を行なうためにセキュリティ企業Bitdefenderの助けを借りた。その後、Hansaの基盤はオランダにあることが突き止められた。そしてオランダ警察がHansaの管理者2人をドイツで逮捕し、またオランダ、ドイツ、リトアニアに置かれていたHansaのサーバーも押収した。

さらにユーロポールやその他の警察機関の支援を得たオランダ警察は、2017年6月20日にHansaを乗っ取り、それから1ヵ月間にわたってHansaを制御下に置いたまま犯罪活動を監視し、多くの情報を収集していた。すでにオランダ警察は、Hansaの海外のバイヤー約1万人分の住所の情報をユーロポールに渡しているという。現在のユーロポールは、Hansaが閉鎖される直前の1ヵ月間に行なわれた違法売買に関する様々なデータを握っているかもしれない。
 
※2…「テイクダウン」は広い意味を持つ言葉なので、テイクダウンされる対象によって具体的な行動の内容が少々異なることもある。ここでは「不正行為を行なっているサーバーを停止する措置」とする。

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最終更新:7/24(月) 11:41
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