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音楽鑑賞中に地震が起きたら… 各地で広がる「避難訓練コンサート」、課題はリアルさ

7/27(木) 7:00配信

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 オーケストラの演奏にうっとりしていたらいきなり、ガタガタ、グラグラ! 満員のホールが大地震に見舞われたら、観客もスタッフも大混乱しそうです。そうした事態に備えようと、演奏中にお客さんと一緒に行う「避難訓練コンサート」が全国に広がっており、ツイッター上でも話題になっています。東日本大震災後に広がったこの取り組み、観客とホールが共により良い避難術を探る試みとも言えそうです。(朝日新聞・長野剛記者)

【写真特集】全国で広がる「避難訓練コンサート」 音楽鑑賞中に地震が起きたら…、逃げるお客さんや出演者

全国最大、1000人超が参加

 1800人が利用できるオペラ劇場を使い、恐らく全国最大の避難訓練コンサートが9月、東京・渋谷の新国立劇場で開かれます。

 今回の訓練を担当する佐藤和人さんによると「全国でも先進的なホールさんが次々とされる中、ウチもやらないわけにはいかない」と、始めたとのこと。2014年以来、2回目の実施です。

いつ「地震」、お客さんには内緒

 想定は、オペラ公演の最中の「地震発生」。地震の効果音を流し、ライトも暗くして、お客さんにはまず、自席で頭を低い位置に下げて安全な姿勢をとってもらいます。その後、舞台の一部で電気系統のトラブルから出火するという想定で、お客さんに劇場の外に避難してもらう、という流れです。

 お客さんには「どのタイミングで地震が来るか」は伝えません。当日、見込まれる1500人程度のお客さんに、出来るだけ本番的な状況の中で、避難を体験してもらいます。

増える実施、被災が原点

 こうした避難訓練コンサート。公立の音楽ホールなどが加盟する全国公立文化施設協会が昨年、会員にアンケートをしたところ回答した201施設のうち約2割が実施していました。実施は「増える傾向にある」といい、その契機になったのが水戸市の水戸芸術館だとのことでした。

 水戸芸術館が初めて、避難訓練コンサートを実施したのは2011年8月27日。約半年前、水戸芸術館も東日本大震災で、エントランスホールのパイプオルガンのパイプが外れて転がるなどの被害が出て、7月末までの閉館を余儀なくされました。

 「もし、震災の時にコンサートをしていたらどうなったのか。備えなくては、と考えたのが、コンサート実施の理由です」と、当時担当した職員の篠田大基さんが教えてくれました。

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最終更新:7/27(木) 7:00
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