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「ひのきのぼう」に込めたドラクエ精神 堀井雄二が語ったこだわり 「かしじゃない、絶対にひのきだ!」

7/26(水) 7:00配信

withnews

 ドラゴンクエストに出会った時から気になっていたこと。なぜ「ひのきのぼう」は、ただの「ぼう」ではなく「ひのき」なの? 30周年という節目の年、生みの親である堀井雄二さんに、長年の疑問をぶつけてみると……「絶対、ひのきのぼうなんです」。返ってきたのは明快な答え。最弱アイテムの名前には、初代から11作目となる新作「XI」まで守り続けてきた「ドラクエ精神」が込められていました。

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記憶に残る最弱アイテム

 「ひのきのぼう」。ドラクエファンなら、誰もが目に浮かぶなじみのあるアイテム名です。

 ゲームのスタート時に最初の装備として用意されますが、あまりの弱さに使われないことも少なくありません。

 ただ、最初は持っているアイテムの数が多くないこともあり、その後の強そうなアイテム名よりも何だか記憶に残ってしまう不思議な存在です。

「すぐにわかる。もう絶対、ひのきしかない」

 「ひのき」は、家具などでは高級な材料として知られていますが、武器としては、マイナーな木材です。木刀で一般的な木材はカシです。

 なぜ、「ひのきのぼう」なのか? 堀井さんは「音ですね」と、そのアイテム名に込めた思いを教えてくれました。

 「『ひのき』って一つの単語じゃないですか。すぐにわかる。もう絶対、ひのきしかないって思いました」

 当時、剣(つるぎ)や、こんぼうの他に、弱い武器を考えていたという堀井さん。

 「ただの棒じゃだめ。でも『かしのぼう』だと、お菓子みたい。それに『かし』って言われても平仮名だと何だかわかんない」

 初期のドラクエは、使えるデータ量(メモリー)が少なかったため、まだ漢字は使えませんでした。そんな中、名前を決める際、大事だったのが平仮名にした場合の伝わり方でした。

 今とは考えられない開発条件の中、最弱のアイテムだと「一目でわかる」名前が「ひのきのぼう」だったのです。

「ドラクエは、誰でも、わかりやすく遊べるゲーム」

 「一目でわかる」。これは、ドラクエがずっと守ってきた考えです。

 堀井さんは最新作の「XI」でも「簡単に直感的にできる。ドラクエは、誰でも、わかりやすく遊べるゲーム。これは変わりません」と言います。

 堀井さんと一緒に開発に携わったディレクターの内川毅さんは、子どものころにドラクエに熱中した世代です。今、生みの親である堀井さんと仕事をする中で「三つのこと」を大事にしているそうです。

 「わくわくする冒険心。見た目の温かみ。そして、わかりやすさ。この三つは外ささないように。そこは変えないように心がけました」

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最終更新:7/26(水) 7:00
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