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次世代ブロックチェーン「Tezos」ビットコインの弱点を克服?

7/25(火) 12:10配信

ZUU online

IPO(新規株式公開)の仮想通貨バージョンである「ICO(新規仮想通貨公開)」に、自己修正型(self-amending )暗号台帳「Tezos」が挑戦する。

ビットコインの分裂問題が世間を騒がす中、3つのプロトコル(ネットワーク、トランザクション、コンセンサス)を独立させることで、ハードフォークに左右されない仕組みを持った次世代ブロックチェーンが登場する、と言えよう。

ビットコインの弱点を克服する意図で開発

2016年頃から頻繁に耳にするようになった「ICO」とは、スタートアップがトークンの発行によって資金を調達する手段である。投資家は仮想通貨やドルや円などの通貨でトークンを購入する。いわばIPO(新規株式公開)の仮想通貨バージョンだ。

そのICOで7月1日から2週間にわたりトークン「Tez」を発行すると注目を集めているのが、スイスを拠点とするTezosである。

ギリシャ語で「スマート・コントラクト」を意味する「Tezos」は、そもそもビットコインの弱点を克服する意図で開発された。ブロックチェーンによる分散型台帳という点はビットコインやイーサリアムと同じだが、参加者に直接ネットワークを管理する権限を与えるというコンセプトが大きく異なる。

3つのプロトコルを独立させ、システムに互換性を

Tezosが開発された背景を説明するには、ビットコインの「弱点」について触れる必要がある。

現在仮想通貨市場を不安に陥れている、ビットコインの分裂騒動を例に挙げてみよう。ビットコインは取引量の増加にともない、スケーラビリティ問題など様々な不具合が深刻化しており、解決策として8月1日にソフトフォークによる「SegWit」を実装する提案が出されている。

しかしコミュニティーの意見が分かれ、SegWitが十分な支持を得られなかった場合、ビットコインが2つに分裂する可能性がある。Tezosはこうした分裂リスクを回避するために、3つのプロトコル (ネットワーク、トランザクション、コンセンサス)を独立させ 、新・旧システムに互換性を持たせている。

ガバナンスを分散化させ、集中化を解消

ビットコインの分裂問題は単なる実装やルール変更の領域を超え、中核となる開発チームや一部のマイナーに事実上の権限が集中している現状への批判にまで発展している。

「合意のメカニズム」が組み込まれたTezosでは、こうした分裂やプルーフ・オブ・ワーク・システム(POW)の集中化に伴うリスクが解消されている。

具体的な仕組みを説明すると、「いかなるブロックチェーン・ベースのプロトコルでもインスタンス化(初期化)が可能」という特徴を利用して、ブロックチェーンの分散性を維持すると同時に、ノードの合意に基づく公平なプロトコルの修正を行う。つまりガバナンスを分散化させることで、従来の権限や報酬の集中化を排除しているわけだ。

さらにはビットコインが抱えている電力消費や手数料などのコスト問題も、承認プロセスにプルーフ・オブ・ステーク(POS)を採用することで解消されている。また開発者に対しては、システムの修正・改善などの作業に報酬(トークン)を提供 するなど、新しいアプローチがとられている。

プライバシーの保護を重視した取引などへの利用を検討

それでは独自のトークン「Tez」を所有することで、どのような恩恵が受けられるかというと、前述した通り、「Tez」の所有者にはネットワークのルールについて投票や提案を行う権限が与えられる。 現時点では専用のウォレットは開発されていないが、将来的にはトークンを管理出来るネットワークも開始する予定だ。POWベースのビットコインとは異なり、採掘で報酬を得るシステムはない。

今後の展望としては、「リング署名(複数の公開鍵をまとめて利用することで、署名者を特定しにくくする方法)」や「ゼロ知識証明(NIZKPK)」による、プライバシー保護に重点を置いた取引に、Tezosのプロトコルを組み込むという試みを視野に入れている。

そのほか、ルールの変更に関しては、プロトコルにプルーフ・チェッカー(証明検査)を組み込む案なども出されている。

こうしたTezosの挑戦が、ICOを通じてどのように受け入れられるのか、引き続き動向を注視したいところだ。(提供:Innovation Hub)

最終更新:7/25(火) 12:10
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