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五輪へ 審判育成に熱

7/25(火) 9:02配信

福島民報

 日本フェンシング協会審判・ルール・ライセンス委員会委員長の甲斐正彦さん(57)=安積高出身=は五輪の試合を裁く国際審判員の育成・強化を担っている。56年ぶりの国内開催に向け「ジャッジの質を上げ、必ず大会を成功させる」と情熱を傾けている。一方、福島県内関係者に審判として五輪などの国際舞台を目指す動きが出てきた。

■日本フェンシング協会 甲斐正彦さん(安積高出身)

 甲斐さんは札幌市出身。11歳で母の実家がある郡山市に引っ越し、桑野小、郡山六中、安積高に通った。国学院大から始めたフェンシングで選手として活躍する傍らクラブチームのコーチを務めた。39歳で現役を引退後、国学院大で指導しながら審判の道を歩んだ。40歳で国内審判員A級に合格し、全日本選手権決勝などを担当。2003(平成15)年に44歳で国際審判員の資格を取得し、世界選手権やアジア大会などを経験した。
 東京五輪では開催国として8人の国際審判員が必要だ。これまで五輪で審判を務めた日本人は3人のみ。12年のロンドン、昨年のリオデジャネイロ両大会では派遣がなかった。甲斐さん自身もロンドン五輪で候補に選ばれたが最終選考で漏れた。世界の一線級が集う戦いを公平・公正に裁ける人材づくりが急務となっている。
 甲斐さんは審判・ルール・ライセンス委員会委員長に就いた15年以降、審判養成に力を注いできた。特に国内大会を裁く若手審判員に世界を目指す意識を植え付け、就任から2年で約15人の国際審判員を育てた。
 五輪の舞台に立つには国際審判員B級の資格が必要となる。資格所有者30人のうち実働しているのは自身を含め12人程度だ。五輪に誰を推薦するかは同委員会が決める。自らを推薦するのも可能だが「若い人がスポーツの祭典に携わってほしい」と後進の育成を第一に考えている。

■世界の舞台目指す 広瀬新さん(福島市出身)

 福島市出身の広瀬新さん(19)=早稲田大国際教養学部1年=は今月末、全日本選手権や国体の準決勝レベルを担当できるフェンシングの国内審判員B級の試験を受ける。将来は国際審判員として世界で活躍するのが目標だ。
 桜の聖母小1年からフェンシングを始め、福島大付中、福島高での6年間は毎年、全国大会に出場した。大学では国連職員を目指し勉学に専念するつもりだったが、入学直前に国際審判員の知人から審判を勧められた。「審判なら国際大会に出られるかもしれない」と挑戦を決めた。
 選手の目線を忘れないためフェンシング部の練習にマネジャーとして参加している。国内審判員B級は4月にも受験したが、実技試験で判断に迷いが出て不合格だった。それ以来、資格がなくても審判ができる大会で経験を積んできた。31日から宮城県気仙沼市で始まる全国高校総体(インターハイ)でも熱戦を裁く。
 東京五輪への派遣は厳しい状況だが「2020年がゴールじゃない。仕事をしながら続けていきたい」とフェンシングに一生携わるつもりだ。

福島民報社

最終更新:7/25(火) 10:23
福島民報