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カツオ節 高まる値上げ機運 先行大手に続き今秋改定も

7/25(火) 18:16配信

みなと新聞

 カツオ節業界で値上げの機運が高まっている。削り節大手のマルトモ(愛媛県伊予市)とヤマキ(同)がカツオパックや花カツオについて、7~15%の値上げを夏出荷分から実施した。原料の冷凍カツオが高騰しているため。プライスリーダーのこの2社に追随しようと、一部の削り節メーカーは秋の値上げを検討。加工業者は「秋に価格改定や量目変更が相次ぐのでは」とみている。

原料価格、3年で1・5倍に上昇

 値上げは削り節メーカーや、削り節メーカーに節を原料として納めるカツオ節加工業者が利幅を確保するため必要だった。節原料の主力である海外巻網船のブライン凍結品(B)南方物の相場が2014年度から徐々に上昇しているためだ。みなと新聞調べによると、主水揚げ地の静岡・焼津港のB南方物相場は14年度以前までキロ当たり150円前後だった。それが15年度170円、16年度185円と上がり、17年度は230円。14年度以前に比べると1・5倍に上昇している。

 削り節製品の価格はB南方物がキロ150~170円時に設定されているものが多く、「現状の値上げでも原料高騰分を補い切れていない」(マルトモ)。小幅な値上げにとどまったのは、削り節製品市場の縮小を危惧したからだ。

 総務省家計調査によると、カツオ節・削り節の消費量は02年から右肩下がり。削り節などから液体のだしに需要が移っていることもあるが、農林漁家を除く1世帯当たりの年間消費量は02年が390グラムだったのに対し、16年は240グラムと6割に落ち込んでいる。

 市場縮小を覚悟の上、値上げに踏み切ったのは原料高による利幅圧縮が深刻になったため。カツオ節加工業者からは「原料相場が200円を超えたあたりから利益はほとんどない」との声が出ている。今後、国際相場の上昇や海外巻網船の不漁により、原料相場は高値安定で動くとみられる。「合理化・効率化によりコストアップを吸収する努力を続けたが、価格改定を実施せざるを得ないと判断した」(ヤマキ)

 削り節業界の価格改定は13年にもあった。13年1月にヤマキが量目変更を行い、他社もその後実質値上げを実施。今回も大手2社が値上げに踏み切ったことで、業界全体で値上げが進むとみられる。

 今年の値上げはマルトモが業務用製品を6月1日出荷分から10%改定したのを発端に始まった。ヤマキは家庭用製品価格を8月1日出荷分から7~15%アップ。マルトモも9月1日出荷分から家庭用製品価格を7~11%上げる。値上げによる市場縮小も予想される中、和食ブームによる販売促進が期待される。「だしの注目度は国内外で高まっている。使用シーンの提案を強化し、消費を広げていかないといけない」と削り節メーカー。

最終更新:7/25(火) 18:16
みなと新聞