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技能五輪にかける、女性・若手エンジニアたちの想い

7/25(火) 13:23配信

日刊工業新聞電子版

正確さ・スピード猛特訓

 「1秒の違いでもメダルの色が変わる」―。栃木県で11月24日から開かれる「技能五輪全国大会2017」まで間もなく100日を切る。出場選手候補は少しでも技能を高めようと最後の追い込みをかける。地元の栃木県で有力選手を抱えるホンダエンジニアリング(芳賀町)と栃木県立県央産業技術専門校(宇都宮市)の取り組みを探った。(栃木・前田健斗)

メカトロに女性

 ホンダエンジニアリングはメカトロニクスと電子機器組み立て、抜き型の3職種に出場を目指す。2人1組の“チーム”で技能の高さを競うメカトロニクスは、機械や情報工学など幅広い知識のほか、選手間の協調性が強く要求される。永田直史運営責任者は「精神面のほか、2人のコミュニケーションが重要だ」と説く。選手はプログラミングなどソフト面と、組み立てなどのハード面でそれぞれ担当がある。
 出場選手候補で、主にソフト面を担当する寺尾睦月選手(20)は、メカトロニクス職種では同社初の女性選手だ。入社以前から若年者ものづくり競技大会などへの出場経験もあり、技能五輪に出場したい一心で入社した。寺尾選手は「先輩らの成績を超えなければ金メダルはない。訓練に邁進(まいしん)して必ず取る」と意気込む。永田運営責任者は「各職種で入賞、全体で金メダル一つの獲得を目指す」と目標を掲げる。
 「正確さはもちろん、スピードも重要だ」と花崎一貴主任指導員が言うように、メカトロニクスは時間内に課題を終わらせることが前提で、それが短時間であるほど高得点につながる。寺尾選手は当初8時間以上かけていた第1課題を現在5時間40分程度で完成させる。花崎主任指導員は「大会までに(競技標準時間の)5時間を達成し、強豪他社と競い合えるようになると期待している」と見守る。

プロ相手の戦い

 「スピードと集中力、そして“きれい”な見た目が要求される」―。県央産業技術専門校は7年連続で情報ネットワーク施工職種で出場する。同職種は住宅などを想定した宅内配線施工や、ビルなど大規模な建物を想定した構内配線施工など全5課題。同校は4月、技能五輪全国大会の予選といえる「情報ネットワーク施工学生日本一決定戦」で7年連続の金賞に輝いた。全国大会出場が決まった情報ネットワーク科2年生の渡邉司選手(19)は「先輩の記録を超えたい」と意気込む。
 同大会で実施される42職種の多くは、23歳以下の年齢制限が設けられているが、情報ネットワーク施工は国際大会の基準に近づけるため24歳まで出場できる。指導担当の若林克弥情報ネットワーク科主任は「出場選手の大半が企業に勤めており、いわばプロとの戦いになる」とし、「少なくとも出場企業のうち、1社には勝つ」と目標を掲げる。
 同校は毎年1月、1年生全員を対象に全国大会の選手候補を選抜する「校内競技大会」を開く。選抜された選手は、先輩らの訓練中の手元などを撮影した動画などを参考に練習に励む。練習時間は昼休みや放課後に限られることから、「効率の良い時間の使い方が要求される」(若林主任)。
 光ケーブルを配線施工する課題の制限時間は30分。渡邉選手は訓練当初は五つ程度だった施工数を現在は20個まで伸ばした。「レベルアップに努め、大会本番では焦らず集中し、ミスをしないように取り組みたい」と渡邉選手は熱く語る。

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