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「水戸黄門」熱演する三菱自社員たち 倉敷・水島製作所の「くるま座」

7/25(火) 8:30配信

山陽新聞デジタル

 ご老公がつえの一撃を放ち、助さん、格さんも大立ち回りで悪党をなぎ倒す。そして「この紋所が目に入らぬかっ」―。

 「水戸黄門」を熱演するのは「くるま座」。三菱自動車水島製作所(倉敷市)の社員らでつくるボランティア劇団だ。結成15年を迎え、記念公演を22日、同市の「葵空(あおぞら)デイサービスセンター」で開いた。

 会場にはお年寄りら約80人が詰め掛けた。新人団員の廣政恵介さん(22)が体を張って盛り上げ、坂本久美子さん(56)は情感たっぷりの長ぜりふで魅了した。“役者歴3年”の須江隆行・同製作所長(57)も黄門役で貫禄の演技。「裏方一筋」という石田進さん(50)はセットの設営に、幕の開け閉めにと大車輪で舞台を支えた。

 2002年7月に旗揚げし、「国の発展に尽くしたお年寄りを喜ばせたい」と同市内の高齢者施設を中心に90回以上公演してきた。三菱自の燃費不正問題が発覚した昨年は自粛も考えたが、「楽しみにしている」の声に励まされたという。

 昼休みや仕事後に練習し、セットや小道具は自作する。活動に共感した社外の人たちもメンバーに加わり、衣装などを提供してくれる。そんな劇団による手作りの舞台は、小さくても、笑いあり涙あり。同市の女性(87)は「たいしたもんよ。長生きして次も見なけりゃ」と感激していた。

 来秋には100回目の公演を予定している。「地域あっての会社であり劇団。これからも恩返しを」と中村建治座長(61)。山越え谷越え、“感謝の旅回り”は続く。