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ゲリラ豪雨を捕まえろ!進化する気象観測・予測技術

7/25(火) 14:19配信

ニュースイッチ

 日本各地で記録的な大雨が襲った。近年、国内では大雨による被害が相次いでいる。災害に対するレジリエンス(復元力、強靱(きょうじん)さ)が求められており、研究機関は気象現象を高精度に観測して防災に役立てるため、最新のレーダーを使った技術開発を進めている。さらに日本の技術力を生かし、海外の気象災害を軽減するための取り組みも進む。

 理化学研究所計算科学研究機構の三好建正チームリーダーらは、高性能の気象レーダー「フェーズドアレイレーダー」を使い、30秒ごとに10分後までの降水を予報する「3D降水ナウキャスト手法」を開発した。

 情報通信研究機構電磁波研究所、首都大学東京などとの共同研究。理研はコンテンツ配信事業を手がけるエムティーアイのスマートフォン用アプリケーション(応用ソフト)を使い、予測情報のリアルタイム配信を今月にも始める。

 フェーズドアレイレーダーは、30秒ごとに60キロメートル先までの雨粒を隙間なくスキャンする。急激に変動する積乱雲の立体的な動きを追跡できるため、高精度な降水予測が可能。

 大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)に設置されている。従来のレーダーを使った手法では、積乱雲を3次元で隙間なくスキャンするのは難しかった。

 新手法による関西地方の降水予報は、理研のウェブサイトで確認できる。さらに、エムティーアイの応用ソフト「3D雨雲ウォッチ~フェーズドアレイレーダ~」で、7月中にも配信したい考えだ。

 局地的な大雨が降ると、わずか10分の間に急激に川の水位が上昇したり、浸水が起こったりする危険性がある。三好チームリーダーは「地下や急傾斜地で働く人などに、一刻も早く危険を伝えたい」としている。

「最強の気象レーダー」水平・垂直で雨粒観測

 フェーズドアレイレーダーは大阪大のほか、茨城県つくば市の気象研究所などに設置されている。そのフェーズドアレイレーダーをさらに進化させた「マルチパラメータフェーズドアレイ気象レーダ」(MP―PAWR)の開発が進んでいる。情通機構や東芝、首都大学東京、名古屋大学が開発中で、さいたま市桜区の埼玉大学に10月にも設置する予定だ。

 MP―PAWRは既存のフェーズドアレイレーダーと同じ、30秒の時間分解能を持つ。より降水量を高精度に推定でき、研究者からは「最強の気象レーダー」と呼ばれている。

 特徴は、水平と垂直の方向に振動する2種類の電波を同時に送受信できる「二重偏波」を採用した点だ。そのため、雨粒を立体的に観測できる。

 既存のフェーズドアレイレーダーは、いずれも水平の電波だけを送受信する「単偏波」だった。そのため、雨粒の形状といった精度の高い情報は観測できなかった。防災以外にも東京五輪・パラリンピックの屋外競技実施判断などにも活用できそうだ。

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最終更新:7/25(火) 14:19
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