ここから本文です

「残業代ゼロ法案」の断固反対から条件闘争へ、連合は変心したのか

7/25(火) 18:39配信

ニュースイッチ

労働界は大局的見地で判断を

 高収入の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」導入を巡り、労働界が揺れている。日本の産業競争力強化にも関係する問題だけに、大局的な観点での判断が必要だ。

連合の神津里季生会長は13日に安倍晋三首相と会談し、労働基準法改正案の一部修正を条件に高プロ制度の受け入れを表明した。これに傘下の労働組合や地方組織が反発。19日に予定していた政労使合意は流れた。

 連合執行部は27日に予定される仕切り直し政労使会合に向け、中央執行委員会で傘下労組に改めて経緯を説明。理解を求めたものの慎重意見が根強い。

 連合はこれまで「残業代ゼロ法案だ」として、高プロ導入や裁量労働の拡大に強く反対してきた。政府は3月に「働き方改革実行計画」をまとめ、労働側の悲願だった時間外労働の罰則付き上限規制の導入を明記するとともに、裁量労働制拡大と高プロ導入を盛り込んだ。

 政府はこれらを一本化した新たな労基法改正案を、次期臨時国会に提出する方針という。連合側は高プロ反対を貫けば残業規制も廃案になることを恐れ、“条件闘争”に切り替えた。この執行部の方針転換に、傘下労組などが反発している。

 第1次安倍政権時代の2007年に、企業の管理職を広く残業規制から除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入が議論された。ただ野党や労組の激しい反発で、政府は法案提出を見送った。

 高プロ制度は、金融ディーリング業務など年収1075万円以上の高度専門職に対象を絞り込んだもの。政府は15年6月に法案を国会に提出したが、2年以上も審議が進んでいない。

 労働側は、小泉純一郎政権の製造業派遣解禁がワーキング・プア急増を招いたと批判。高プロが、なし崩し的に拡大適用されることを恐れている。

 ただ、こうした懸念は労働規制の運用や政労使の合意で十分に解決できる問題だ。労働界の理解を得るよう、連合はナショナルセンターとしての指導力を発揮してもらいたい。

最終更新:7/25(火) 18:39
ニュースイッチ