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ウォール街の電話信仰に風穴-電子社債業者、3年でシェア1%確保

7/25(火) 12:16配信

Bloomberg

ウォール街の銀行に電話での社債取引をやめさせ、電子トレーディングを受け入れさせることは決して簡単ではなかったが、それでも守旧派が新しい技をようやく身に付けつつある兆候は見られる。

米銀ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースなどが出資し、デリバティブ(金融派生商品)と債券の取引プラットフォームを運営するトレードウェブ・マーケッツは、8兆6000億ドル(約956兆円)規模の米社債市場に足掛かりを築いた。社債トレーディングのプラットフォーム提供開始から3年で、同社が電子取引で扱う取引高が全体の約1%を占めるまでになったことが、レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエーツの調査で示された。

巨大投資銀行が支配し、売買高全体の80%が今なお電話やチャットメッセージを通じて取引される市場において、3年で1%を占めるようになったことは、まさに革命的だ。

ウォール街の金融機関は、債券引受業者という立場を通じて市場の支配を維持し、気に入った顧客に新発債の割り当てを行うことも可能だ。それだけではなく、ゴールドマンやJPモルガン、モルガン・スタンレーなどは市場を最も包括的に把握し、銀行間のトレードが見られることもあって、価格データへの最良のアクセスを備えている。

そのような情報を顧客に伝える手段として、昔から好んで用いられたのが電話だった。金融サービスコンサルティング会社グリニッチ・アソシエイツの市場ストラクチャー・リサーチ責任者ケビン・マクパートランド氏は生身のディーラーについて、「取引の執行がさらに電子化されても、彼らには市場でなお強い立場が存在する」と指摘した。

これまで電子取引が主流にならなかった背景には、トレーディングのやり方が激変すれば、銀行にとって非常に「おいしい」債券取引ビジネスを弱めてしまうのではないかとディーラーが懸念した事情もある。ブルームバーグ・インテリジェンスが集計したデータによれば、債券セールス・トレーディングが世界の9大投資銀行に昨年もたらした利益は680億ドルで、株式トレーディングや投資銀行、引き受け、助言サービスの各セグメントをいずれも上回った。

それでもコンピューターをベースにした取引は徐々に浸透しつつある。ブローカーディーラーはその必然性を遅らせることしかできないからだ。トレードウェブのリー・オレスキーCEOはインタビューで、「市場は絶えず進化し、われわれはそれに対応する必要がある。銀行はわれわれの市場の重要な構成要素だ。今や起きつつある変化は、誰もがつながっているということだ」と語った。

原題:Wall Street Grip on Bond Trading Means a 1% Gain Takes 3 Years(抜粋)

Matthew Leising

最終更新:7/25(火) 12:16
Bloomberg