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創業100年超の老舗しょうゆ・みそメーカー「ホシサン」が挑むネット通販

7/26(水) 7:01配信

ネットショップ担当者フォーラム

ネットの台頭、消費の多様化などで新たな販路開拓や商品開発に乗り出すメーカー企業は少なくない。創業100年を超える熊本県の老舗しょうゆメーカー「ホシサン」もその1社。メーカーによる消費者への直接販売、いわゆるネットを活用したメーカー直販に活路を見出している。

 

楽天市場に出店 → 休眠状態 → しょうゆのECで一発奮起

製造した製品を熊本県内の小売店へ販売するのがメイン事業。ただ、商品を製造し一般小売へ販売する流通形態による流通量は、少子高齢化やライフスタイルの変化などによって思うように伸びない時代に突入していた。

そこでホシサンが全国に販路を広げようと始めたのがネット通販。2006年2月のことだった。

だが、メーカーとして本業の傍らで行う直販事業にリソースを割くことが難しく、開店した「楽天市場」店は8年ほど休眠状態が続いていた。てこ入れを図ったのが2014年に入社した榎田圭佑氏(総務部係長 通販課室長)だった。

以前はIT系企業に勤務していた榎田氏が、入社後に早速取りかかったのが自社の分析だ。まず自社製品の流通について。「熊本県内がメイン流通で、九州全体で見るとその他地域の流通量はそれほど多くはない。いきなり全国を商圏にする通販・ECで自社製品をすべて売ろうとしても難しい」。榎田氏はどうしたのか?

「楽天市場」店は当時、休眠状態ながらもまったく売れていないわけではなかった。最も動いていたのが「火の国ポン酢」。熊本県内のデコポン果汁を使用した製品だが、収穫時期によって味の変化、在庫変動といった「季節要因を受けてしまう」(同)。そのため、通販・ECの定番商品として訴求していくのは難しいと判断した。

「通年で訴求でき、かつ自社の特徴を生かし、消費者がとっつきやすい製品は何だろうか?」。出した答えは、メーカーとして100年以上も醸造しているしょうゆだった。

榎田氏の決断を後押ししたのが「九州しょうゆ」というキーワード。関東を中心とした人はなじみが薄いが、九州のしょうゆは甘口ベース。「九州しょうゆベースのポテトチップスもあるので、多くの人に受け入れられるのではないかと思った」(同)

ちなみに、九州しょうゆを使ったポテトチップスはカルビーが主に西日本で販売。「くっそうまい」といった声がネット上には広がっている。

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「甘口しょうゆを通販・ECで売り出していこうと考えたのは、地域性をクリアするため。甘口しょうゆは、万人受けする味ではないかと思った。ホシサンのしょうゆは、あっさりしていて癖がないのが特徴でもあったので」(榎田氏)
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主力製品として「甘口しょうゆ」を打ち出し、通販・ECに本腰を入れてから3年がたった。これがあたった。現在では「九州しょうゆ 熊本」といったキーワード検索で上位表示されるホシサン。検索流入などを含めて、「楽天市場」店は「こんなに伸びるとは思っていなかった」と榎田さんは言う(数字は非公表)。

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