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欧州最大のアクセラレーター・ハブ「Plexal」 Brexitに揺れるUK FinTechの切り札

7/26(水) 12:10配信

ZUU online

スタートアップと企業のイノベーション開発拠点となるべく、UKスタートアップの中心地、東ロンドンの1億5,000万ポンド(約220億円)の価値があると言われるロケーションに設立された次世代アクセラレーター・ハブ「Plexal」が、2017年6月にその全貌を明らかにした。

Brexit後のUK FinTechを支えるに相応しい欧州最大の施設規模と、あらゆる角度からアイデアを現実化する総合的なサポートと、ビジネス・エコシステムの常識を覆す斬新なイノベーション環境で、世界屈指の次世代ハブへの成長が期待されている。

■スタートアップと企業が提携し、アイデアを現実化するための包括的支援を提供

2012 年のロンドン・オリンピックの会場となったスポーツ複合施設、クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク内にオープンした「Plexal」は、敷地面積6,317平方キロメートル、コワーキングシートは最大350席(メンバー数最大800名)の規模の巨大ITイノベーション・ハブだ。

「素晴らしい発明がビジネスを発展させる」というコンセプトのもと、企業がチャンスを形にし、経験豊富な起業家と連携して新たなアイデアを検証・プロトタイプ化する上で必要な、包括的サービスの提供を行っている。

アクセラレーターやイノベーション・プログラム、ビスポーク・メンターシップ(ニーズに見合った育成・指導)、コミュニティー・イベント、自己啓発プログラムなどを盛り込むなど、サポート体制に独創性と実用性が溢れている。

テクノロジーを専門分野とするスタートアップや企業が共同で社会に貢献できるような、国際レベルのイノベーション発信地となることが狙いだ。

組織内部の先導力を高める「リーダーシップ・プログラム」や、社内起業家の育成を目的とした「イントラプレナー・プログラム」も実践しており、スタートアップと企業の架け橋となる役割を果たすと同時に、それぞれの需要に合ったスキルや知識の強化にも取り組んでいる。

「包括的サービス」というだけに、技術的な支援だけに留まらず、弁護士やマーケティング、HRといった各機能領域の専門家へのアクセスも充実している点が心強い。

参加資格はハードまたはソフトを開発しているテクノロジー関連の企業に限定されており、施設利用料を含むメンバーシップ料金は月額220ポンド(約3万2,000円)からと、資金に余裕のないスタートアップにとっても手頃な価格帯だ。プライベートのオフィス・スペースも350ポンド(約5万1,000円)から契約できる。

■UK版シリコンバレー「Tech City」の火付け役、女性起業家が出資

「Plexal」が同様のハブ施設と異なるのは、規模やネットワークの大きさだけではない。イノベーションに欠かせない創造性を育む環境が、最大のセールスポイントの一つとなっている。

施設の開発を手掛けたのは英国の大手不動産開発業者、DelanceyとITコンサルティング企業、Entiqだ。オリンピック開催地の再利用計画である「Here East Project」の一環として、近代的な都市計画の原理に「テクノロジーの集合体」という要素を融合させ、「小都会」をイメージしたビジネス環境の創出に成功した。

周囲には大小さまざまな規模のビジネスや主要教育機関がオフィスを構えている他、オリンピックの名残を残すスポーツ施設、レストランやカフェなどの飲食エリア、フリータイムを自然に囲まれて満喫できるレジャー・エリアまで用意されている。従来の殺伐としたビジネスや開発センターという概念を180度転換させ生活感に溢れた施設だ。

「Plexal」開設の背後に、ロンドン版シリコンバレーと称される「Tech City」の火付け役となったクレア・コッカ―トン氏の存在がある点も興味深い。女性起業家として早期から英FinTechを先導して来たコッカ―トン氏は、今やTechCityのアイコンとなったカナリーワーフ(シティーに対抗する東ロンドンの金融地区)のコワーキング・スペース「Level39」を、Entiq と提携して立ち上げた人物だ。

「Plexal」でも再びEntiqをパートナーに、設立者兼CEOとしての才覚を存分に発揮することだろう。コッカ―トン氏は「Plexal」がロンドンだけではなく、国際的枠組みでも本当の意味でユニークなイノベーション・ハブとなることを確信しているという。

「人々が力を合わせてアイデアを生み出し、それが新たなビジネスにつながる――そんな、独創的な起業家にとって重要な地位を確立することが目標」というコッカ―トン氏の言葉が表すように、新たなハブは「UK FinTechをEU離脱の影響を微塵も感じさせない新境地へと導く存在」として、その期待を一身に背負っている。(提供:Innovation Hub)

最終更新:7/26(水) 12:10
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