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全盲の塚本さん(掛川)富士登頂 何度転倒しても…友人ら協力

7/26(水) 9:40配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 全盲の漢方はり院経営塚本佳和さん(48)=掛川市葛川=が22日、友人らの協力で富士登頂に成功した。険しい山道で何度も転倒しながらも、富士宮口を健常者並みの7時間15分で登り切った。

 マラソン仲間でガイドランナーの石上剛さん(49)=掛川市下垂木=が昨年、塚本さんの体力を見込んで登山に誘った。市内の粟ケ岳で練習を重ね、計12人のチームで富士山に入山した。塚本さんは石上さんのリュックに結んだロープと白杖を持ち、「足首」「すね」「ひざ」と一歩ずつ段の高さを教わりながら歩いた。

 段差が不規則で足場がぐらつく山道は塚本さんにとって恐怖の連続だったという。足元に神経を集中しても何度もつまずき、新7合で足の筋肉に限界を感じた。それでも「ここでやめたら後悔する」と大声で自分を奮い立たせ、頂上に到達すると全員で涙を流して喜びを分かち合った。

 石上さんは「健常者の倍以上の困難と疲労があったはず。塚本さんの心の強さにただ敬服した」とたたえた。

 塚本さんは病院での投薬が原因で19歳の時に全盲になったが、自分の可能性を広げようと一人旅、ゴルフ、マラソンなどに挑戦を続けてきた。登頂を振り返り「今までで一番過酷な冒険だったが、最後まで自分を信じることができた。自信をもらった」と話した。

静岡新聞社