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ベテラン記者を悩ます本田「パチューカのカーテン」

7/27(木) 16:02配信

スポーツ報知

 メキシコ市ソナロサ地区のホテルで原稿を書いている。パチューカに移籍した本田圭佑(31)を追いかけ、メキシコ入り。対面取材で肉声を聞けないまま帰国するのは残念だ。「世界平和に憧れや夢を見ている部分もある。『2』というのはピース(サイン)で、意味をつなげました」。背番号「2」を選んだ理由などを語った18日の入団会見は、マイクを通じてのコメント。23日、アウェー・UNAM戦を観戦に訪れた後、試合の感想を求めたが、ひと言も発せず、険しい表情のイメージだけを残した。右ふくらはぎの違和感を抱えていたこともあり、心情は察するが…。

 メキシコ市から北東に約100キロ、パチューカ市郊外にあるパチューカのクラブハウスはサッカー・スポーツ科学大学の広大な敷地内にある。入構許可証がないと入れないし、近づくと警備員に止められる。しかも、パチューカのウルグアイ人指揮官、ディエゴ・アロンソ監督(42)は練習を見せることを極端に嫌う。滞在中、構内に入れたのは2度。18日の新体制発表と入団会見、21日の元メキシコ代表GKオスカル・ペレス(44)らの開幕戦に向けた会見だけだった。

 メキシコリーグで練習を公開するクラブは少ないという。最近は聞かなくなったそうだが、数年前までは監督が門から出た瞬間に連れ去られるなど、選手やスタッフの誘拐事件が起きていた。安全面を考慮した措置という側面もあるだろう。「報道陣が対戦クラブに情報を流す」と思いこんでいる監督が多くいるから―という説もある。とにかく、練習が取材できない環境はイングランドに似ている。ただ、試合までに監督の会見がないのは驚いた。「彼はすごく神経質なのよ」。スポーツ専門チャンネル「ESPN」の女性リポーターは、その理由の一つとして、アロンソ監督の性格を挙げていた。

 パチューカは1901年設立のメキシコ最古のクラブで、今ではティグレス、クラブ・アメリカと並びメキシコリーグでは、豊かな資金力を持つクラブとして知られている。実業家のヘスス・マルティネス会長(59)が、その敏腕を発揮し、サッカー・スポーツ科学大学を作るなどクラブを大きくした。まさに、産学一体として、パチューカは成長しているようだ。本拠地「エスタディオ・イダルゴ」は1993年、銀山の上に建てられたという。収容は3万人。ロッカールームなど内部も見学したが、歴史と伝統、誇りを感じる素晴らしいスタジアムだった。

 メキシコ滞在中、夜に1人で出歩いたことはない。紛争地域以外での殺人発生率が22位(日本は197位)という、治安が良いとは言えない国。メキシコ市からパチューカへ続く高速道路の夜間通行は、やめた方がいいと聞く。危険な地区、場所へ行くのは避けるべきである。そうすれば、親日家の多いメキシコ人の陽気や人懐っこさに触れられるという。

 先日、スニーカーを購入した。310ペソで2000円弱。ホテルに戻り、箱を空けて履こうとしたら、何かおかしい。右足、そして…右足!? 2足とも右足用とは。おおらかな国だなと思った。(記者コラム・羽田 智之)

最終更新:7/27(木) 16:02
スポーツ報知

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