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「ほら、頭ないべ」 雨竜沼湿原で花のシカ食害増加 北海道空知

7/26(水) 11:16配信

北海道新聞

エゾカンゾウ7割被害

 【雨竜】ラムサール条約登録湿地の雨竜沼湿原に近年、エゾシカが出没するようになり、夏の景観を代表するエゾカンゾウを中心に食害が発生している。地元の自然保護グループは、生物多様性が損なわれる可能性を懸念。こうした状況を受け、空知総合振興局などは21、22の両日、エゾシカの食害に関する初めての実地調査を実施した。調査に同行し、被害の実態を見た。(関口潤)

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 「ほら、頭ないべ」。1990年に発足した「雨竜沼湿原を愛する会」の佐々木純一副会長(65)がポールで指した先に、茎の先端がポキッと切れたようなエゾカンゾウがあった。

ヒグマ監視のカメラで発見

 21日の調査には、佐々木さんを案内役に、同振興局自然環境係と道立総合研究機構環境科学研究センターの職員計6人が参加。湿原内の全長約4キロの木道を歩いて状況を調べた。目をこらすと、花が枯れ落ちた後にあるはずの子房部分がないエゾカンゾウ数十本が立っていた。調査メンバーは「見事と言っていいほど食べられている」とうなった。

 22日には雨竜町も参加。エゾカンゾウは約100ヘクタールの湿原全域に分布し、一面に黄色い花を咲かせるが、両日の調査で群生地となっている南側の木道沿いを中心に7割以上の花が食べられていることが判明した。

 もともとエゾシカはいないとされていた雨竜沼湿原で、出没が初めて確認されたのは2013年。佐々木さんや同町、同振興局がヒグマ監視のために設置した自動撮影カメラが捉えた。15年まで被害は目立たっていなかったが、昨年は満開だったエゾカンゾウの花のほとんどが数日で食べられた。佐々木さんが被害を報告書にまとめ、今回の実地調査となった。

北海道新聞

最終更新:7/26(水) 11:43
北海道新聞