ここから本文です

生産や機能が増えるスバル、新規サプライヤーへの口説き文句

7/26(水) 10:12配信

ニュースイッチ

執行役員調達本部長・小林達朗氏に聞く「技術にこだわる開発思想」

 ―2018年に米国で新たに3列シートのスポーツ多目的車(SUV)「アセント」の生産を始めます。
 「水平対向エンジンや変速機など精密加工が必要な基幹部品は従来通り日本から調達し他のほとんどの部品は現地調達する。レガシィやインプレッサなど他の米国生産車と調達戦略に大きな変更はない。サプライヤーを含め生産に向けた準備は順調に進んでいる」

 ―電動車両や自動運転など次世代車向け調達をどう進めますか。
 「4月に調達本部内に次世代車に必要な先進技術や部品情報を集める専任担当者を配置した。先行開発会議に参加するなど早い段階から技術本部と情報を共有し、サプライヤーの選定に役立てていく。16年度まではSUBARU(スバル)車の急激な生産増に伴う調達対応に追われていたが安定調達にめどがついた。次世代分野の調達活動に本格的にとりかかる時期に入った」

 ―新しいサプライヤーとの取引も増えそうですが、課題は。
 「大手と比べて規模が小さい当社に、必ずしも最大限のマンパワーを割いてもらえるかわからない。技術にこだわる当社の開発思想を理解してもらい、『スバルと一緒に仕事をして良かった』と思われる関係づくりを徹底していきたい」

 ―17年度の調達方針で品質向上を最優先テーマに掲げています。
 「スバルは安心・安全をコンセプトに車づくりを進めており品質問題はあってはならない。スバル本体の品質改善活動に加え、サプライヤーへの支援を強化している。調達本部の専門チームが重要保安部品を手がけるサプライヤーを中心に訪問し課題を共有する活動を始めた。一緒になって改善を進めていく」

 ―原価低減に向けた取り組みは。
 「新車台の採用車種拡大による部品や生産設備の共通化がコスト低減に寄与する。次世代車に関しては新規採用部品が増えることが想定される。先行開発の段階から調達本部が技術本部、サプライヤーと一体となり、性能、品質、コストを作り込んでいく。開発がある程度進んだ後に、大幅なコストアップが避けられないという事態が発生しないよう綿密にシミュレーションしてきたい」

<記者の目>
 スバルは20年に最新の運転支援技術を、21年に電気自動車(EV)を投入する計画で次世代車の開発が本格化している。大手に比べて経営資源が限られる分、自社で内製する領域とサプライヤーなどに任せる領域をどう分けて、スバルらしい次世代車の実現につなげていくのか。調達戦略も転換期を迎えている。
(日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

最終更新:7/26(水) 10:12
ニュースイッチ