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長崎新幹線フリーゲージ見直し 次善の策は「フル規格」か「リレー方式」か 佐賀

7/26(水) 11:16配信

佐賀新聞

 JR九州の青柳俊彦社長がフリーゲージトレイン(FGT)導入に難色を示したことで、九州新幹線長崎ルートの運行形式はリセットされた格好になった。FGT以外で想定される選択肢は、全線フル規格、ミニ新幹線、スーパー特急に加え、2022年度の暫定開業時に採用される「リレー方式」だ。次善の策としては、いずれも課題があり議論は難航しそうだ。

 全線フル規格化は、長崎県やフル規格での整備が進んでいる嬉野、武雄市などで「待望論」が強い。メリットは、佐賀県が新幹線同意の最大の要因として挙げている「関西直通」ができる点と時間短縮効果だ。博多-長崎間(1時間48分)がFGTでは1時間20分。フル規格になるとルート次第だが、鹿児島ルートの平均速度を当てはめて考えれば1時間を大幅に切ると想定される。在来線特急で約40分の博多-佐賀は、20分を切るとみられる。

 問題は財政負担だ。全線フル規格化となれば、佐賀県の実質負担は約800億円との試算がある。現状の225億円から大幅な負担増となる。県としては「議論できる環境にない」というのが基本スタンスで、財政負担の枠組みが変わらない限り佐賀県が同意することは考えられない。

 スーパー特急方式は、路盤やトンネル、高架などをフル規格仕様で整備するが、電圧やレール幅は在来線仕様にする。そのため現行の新幹線路線への乗り入れはできない。佐賀、長崎県が重視する「関西直通」はできず、FGTよりも時間短縮効果は見込めないという課題がある。

 ミニ新幹線は、在来線区間にフル規格(標準軌)のレールを敷設することで、新幹線区間との直通運転を可能にする。ただ工事期間中は在来線の運行ができなくなり、「片側交互通行」で対応するとしても、運行本数が多い長崎線ではJRの経営的負担が大きくなる。踏切の問題も残り、安全確保や交通への影響など考慮が必要になる。

 可能性が高いのは「リレー方式」。FGTの開発遅れで、昨年3月、佐賀、長崎県や国、JR九州など関係6者で、博多-武雄温泉を在来線特急、武雄温泉-長崎を新幹線で結ぶ「リレー方式」での22年度暫定開業に合意している。武雄温泉駅で特急と新幹線が対面乗り換えできるようホーム改修工事の認可も出ており、暫定開業への支障はない。ただJR九州にとっては運営コストが高くつくだけに長期化への抵抗感は強い。

 現実的な選択肢として「フル規格とリレー方式の2択に絞られるのでは」(自民党県議)との見方が強い。

最終更新:7/26(水) 11:16
佐賀新聞