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長崎新幹線フリーゲージ見直し 佐賀県は静観、沿線は「フル規格」の声強まる

7/26(水) 11:31配信

佐賀新聞

「FGT導入前提」立場変えず

 九州新幹線長崎ルートにフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)を導入する計画を困難とする見解をJR九州が表明した25日、佐賀県はFGTを前提とする立場に「変わりはない」と強調し、巨額の追加負担が想定される全線フル規格化に否定的な考えを改めて示した。先行きの不透明さが増した状況を受け、沿線自治体ではフル規格化を求める声が強まった。

 「JRとして検討した結果で、国から新たな提案があったわけではない」。山口祥義知事に代わって報道陣に対応した副島良彦副知事は、JR九州の見解を冷静に受け止め、国の対応を見守る姿勢を示した。

 フル規格の場合、県は実質負担額を800億円超と試算する。与党のプロジェクトチーム検討委員会からの意見聴取を28日に控え、「県の財政状況をみると(フル規格化を)議論する環境にないということを改めて伝え、2022年度の暫定開業や複線化の約束を守ってもらうようにしっかり主張する」と述べた。

 県議会の超党派議員でつくる九州新幹線西九州ルート整備促進議員連盟の石井秀夫会長は「JR九州の方針は思っていた通りの内容。国などは真摯(しんし)に受け止め、しっかり議論する必要がある」と話した。連盟の対応については「佐賀、長崎両県の知事の意見を聞いた上で検討する」とした。

 沿線自治体の嬉野市と武雄市は21日、県に全線フル規格化を求める要望書を提出したばかり。開業に伴い新駅ができる嬉野市の谷口太一郎市長は「FGTの導入が厳しいことは決定的になった。ぜひフル規格でやってもらいたい。県や県選出国会議員への要望も一層強めていく」と述べた。

 小松政武雄市長は「事業者としての判断を重く受け止めるべき」と指摘した。JR九州が整備方針の再検討を求めたことに「考えを聞いてみたい」としつつ、「市としてはフル規格の実現を目指すスタンスに変わりはない」と強調した。

 JR佐賀駅の周辺整備を計画している佐賀市の秀島敏行市長は「JR九州の意向は重い。佐賀市としても計画の練り直しが必要になるかもしれない」と受け止めた。「正式に(新幹線の整備方針が)決まってからでいいと思うが、(フル規格化の場合は)影響やルートの問題など考えなければならないことが出てくる」とも話し、国や県の動向を注視する考えを示した。

最終更新:7/26(水) 11:51
佐賀新聞