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米国でリノベーション流行、新築購入を我慢?

7/26(水) 15:37配信

ウォール・ストリート・ジャーナル

 米国では新築一戸建て住宅が不足しており、それが物件価格を押し上げ、多くの購入希望者を市場から締め出している。ただ、明るい面もある。中古住宅のリノベーションが流行しているのだ。

 ハーバード大学の合同住宅調査センターによると、今年は住宅の改装・改築に費やされる支出額が昨年の2960億ドルから、過去最大の3160億ドル(約35兆3700億円)に増加するとみられる。

 リノベーションの急増は建設請負業者や改築業者の追い風になっている。これらの企業は、消費者相手の多くの他業種が苦戦するなかでも売上高の力強い伸びに預かってきた。

 それは住宅価格の上昇と消費者信頼感の改善も反映している。消費者は自宅に投資する意欲を取り戻し、貯金に手を付けたり、住宅担保ローンを利用しているのだ。

 ホーム・インプルーブメンツ(フロリダ州)のオーナー、ビル・ハリデー氏は「受けているのと同じくらい仕事を断っている」と述べた。「以前は電話を受けてから2~3日で誰かを現場に派遣できた。それが今では4~5週間かかる」という。

 ファクトセットのアナリスト調査によると、ホームセンター大手ロウズの今年度の調整後利益は1株当たり4.62ドルと、前年度の3.99ドルから増加する見通し。競合するホームデポでは同6.45ドルから7.24ドルへの増益が見込まれる。ファクトセットによれば、2004年以来の高い水準だ。

 だがエコノミストらは現在のブームについて、むしろ住宅市場の弱点を反映している面が大きく、これまでのブームとは違うと警戒している。手の届く住宅の在庫があまりに少ないため、より高級な住宅に買い替えるのではなく現状維持を選ぶ消費者が多いのだ。

 不動産情報サイトのジローのチーフエコノミスト、スベンジャ・グデル氏によると、国内で現在売りに出されている住宅の戸数は1994年と同じだが、人口は6300万人増えている。グデル氏は在庫不足を危機だと考えている。

 全米不動産協会(NAR)が24日に発表した6月の中古住宅販売件数は、在庫不足などのため前月から1.8%減少した。需要が供給を大きく上回っていることから、住宅価格は引き続き所得より速いペースで上昇している。25日に発表された5月のS&Pコアロジック・ケース・シラー全米住宅価格指数は、前年同月比5.6%上昇と、4月とほぼ同じ上昇率だった。

 供給逼迫は米経済全体にとっては悪いニュースだ。リノベーションは新規着工ほどには経済のけん引役にならない。

 不動産会社レッドフィンのネラ・リチャードソン最高経営責任者(CEO)は「市場の泣き所は初回購入者向け住宅の新築物件が不足していることだ」と述べた。

By Laura Kusisto and Sarah Chaney