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社説[「加計」閉会中審査]これが「丁寧な説明」?

7/26(水) 9:10配信

沖縄タイムス

 「加計ありき」だったのではないか、との疑念が払(ふっ)拭(しょく)されたとはとてもいえない。

 安倍晋三首相の友人、加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る問題で、安倍首相が出席した衆参予算委員会の閉会中審査が24、25の両日開かれた。

 目立ったのは首相側近らの「記録がない」「記憶がない」との答弁である。

 安倍首相が約束した「丁寧な説明」からは程遠い。

 昨年9月、前川喜平前文部科学事務次官に「総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」と発言したとされる和泉洋人首相補佐官。前川氏が記録などに基づき従来よりさらに具体的に語ったのに対し和泉氏は「言っていない」の一点張り。

 首相秘書官だった柳瀬唯夫氏も2015年4月に愛媛県今治市の職員と官邸で面会したのではないかと問われ「覚えていない」と繰り返した。今治市側は官邸訪問を認めている。信じられないことに入館記録もないという。

 特区担当の山本幸三地方創生担当相の事案もある。昨年11月に日本獣医師会に「四国での新設」を伝えたことが獣医師会側の記録にある。山本氏は否定するが、秘書官のメモは既に廃棄したという。

 記録には記録で対抗しなければならない。記憶で否定するのはあり得ないことだ。

 安倍首相が本気で真相解明に乗り出す考えなら、官邸や内閣府の官僚らに「文書を探し出して、真相を包み隠さず明らかにせよ」と命じれば済むことである。それをしないのは記録や記憶がないとの答弁を容認するようなものだ。

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 安倍首相が加計学園の獣医学部新設計画を把握した時期が新たな焦点として浮かび上がった。安倍首相は今年1月20日、同学園が国家戦略特区に決定した時だと答弁した。にわかには信じられない。

 安倍首相と加計氏が13年から食事やゴルフをした回数は計14回に上る。獣医学部の問題が本格化した昨年夏以降だけでも6回も会っている。安倍首相はごちそうしたり、されたりする仲であると認めている。2人の間で獣医学部新設の話題はまったく出なかったのだろうか。

 過去の国会答弁との齟齬(そご)も明らかだ。安倍首相は5月の参院予算委で事業主体が加計学園であることを「(12年の)第2次政権発足後も、首相が本部長である構造改革特区本部で知り得た」などと答弁していたからだ。

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 安倍首相は2日間、「李下(りか)に冠を正さず」の故事を引き合いに出し、「私の友人が関わり、疑念の目が向けられるのはもっともだ」などと低姿勢に終始した。だが、行動が伴っているとはいえない。

 加計氏は決定前の昨年8~9月、山本氏ら3閣僚と面談し、学部新設が話題になっていることが明らかになった。なぜ、学校法人の一理事長が閣僚らと簡単に会えるのか。官邸や内閣府とどのようなやりとりがあったのか。

 これで幕引きとするわけにはいかない。臨時国会を早急に開き、加計氏らを証人喚問すべきだ。

最終更新:7/26(水) 9:10
沖縄タイムス