ここから本文です

「星のや東京」に聞いた!現代人の感性に響くモダンな和室づくりのポイントとは

7/26(水) 8:04配信

SUUMOジャーナル

日本ならではの空間「和室」。純和風の家はあまり見かけなくなりましたが、和室は時代を問わず支持されています。畳や障子といった床材や建具を配した部屋はシンプルなだけに、アレンジの幅も多様。今回は、東京・大手町に昨年7月にオープンした都市型旅館「星のや東京」を訪ね、和モダンなお部屋づくりのヒントを探りました。

■現代人の感性をくすぐる洗練された和室

リゾートホテル・温泉旅館を手掛ける星野リゾートが、“圧倒的非日常感”を追求した日本発のラグジュアリーホテル「星のや」。京都、竹富島、軽井沢、富士に続いて開業した「星のや東京」は、“塔の日本旅館”をコンセプトに、地上17階建てのビル1棟をまるごと旅館に仕立てています。

現代の生活にあわせた快適性を兼ね備える和室を追求している「星のや東京」。「純和風の日本旅館のエッセンス、日本古来の伝統的な建築様式や工芸の味わいを守りながら、現代人の感性に響く造りを意識しています」と話すのは広報担当の岩岡大輔さん。

まず、案内していただいたのは、客室「菊」。定員3名、83m2の広々としたお部屋です。

特に印象的なのは壁の色使い。和室と言えば、白い漆喰(しっくい)の壁が定番ですが、印象的なのはブルーとグリーンを2色使いしているところ。ブルーは「群青色」、グリーンは「あさぎ色」と、日本ならではの“曖昧さ”を感じさせる和カラーであり、落ち着きと和みを感じる空間になっています。

「白い壁だと単調になってしまうので、和を感じる色を配しています。塗り壁は左官職人さんによる手仕事なので、照明が当たると日本らしい柔らかいテクスチャーを楽しむことができます」(岩岡さん、以下同)

また、畳は「目積表(めせきおもて)」と呼ばれる織り方のものを使用。一般的な畳の表面が、縦糸と縦糸の間隔が約1.4cmであるのに対して、目積表は0.7cmと細かくなっています。

「目が細かく縁なし仕上げの畳なので、繊細な仕上がりで、一般的な畳とは印象が異なります。い草ならではの肌触りや懐かしさはそのままに、床面をよりモダンな印象に仕上げることができるんです。また、光の反射で表面の色味や質感が変化するのも魅力。単調にならないように『市松敷き』にしています」

建具はエントランスで使用していたものと同じ、栗の木と竹を組み合わせたデザイン。

「栗の木は日本ならではの建材で、かつては日本の一般家屋でも使われていたようです。全部を栗にするのではなく、竹の本麻編みと組み合わせています。竹の皮面を出すことが一般的ですが、『星のや東京』では薄く裂いた中面を表に出しています。そうすることでモダンな印象の色合いになります」

■和文化を再解釈したインテリアを効果的に取り入れる

和室のコーディネートで参考になるのが、竹の足を使った小さなテーブルと足を伸ばせるソファ。

「館内の家具は、全ての『星のや』のオーダーメイド家具を手掛ける埼玉の『ヒノキ工芸』に依頼しました。京都の職人さんがつくる竹を割いて四角い形状にした茶室の天井にも使われる竿縁を足にしており、スタイリッシュなデザインに仕上げています。また、足を伸ばせるソファは、畳仕様で高さを低くしています」

また、クッションカバーも独特なデザイン。

「クッションカバーは海外のデザイナーが、日本の伝統柄をイメージしてデザインされたファブリックを採用しました。日本にインスピレーションを受けた外国の方のフィルターを通すことで、和の要素を残しつつも、インテリアに少しモダンな印象を添えることができると考えています」

続いて案内された2名定員の客室「桜」でも、気になるインテリアを発見。

こちらもヒノキ工芸が制作したオリジナルの椅子。座椅子とは異なる座り心地の良さが特徴です。

「『畳ソファ』と呼んでいます。正座した人と同じ目線になるため座椅子と似ていますが、現代人にとって座椅子は長く座ると、どうしてもしんどくなってしまいます。こちらの畳ソファは、青森ヒバを1本1本曲げて背面と腕置きに配しているので、身体を預けるとしなってフィットします」

「桜」の障子には組子の両面に障子紙を張る「太鼓張り」を採用。障子は差し込んだ光が拡散されて部屋が明るくなります。

美しい和のしつらえを残しつつも、現代人の感性になじむようデザインされた「星のや東京」の客室づくり。すべてオーダーメイドなので、そっくりそのまま真似するのは難しいかもしれませんが、和室の壁の色合いや家具、畳や障子などをコーディネートする際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

●取材協力
・星のや東京

末吉陽子(やじろべえ)

最終更新:7/26(水) 8:04
SUUMOジャーナル