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日銀も出口に早く着手を、危機の備え「全くない」-内海元財務官

7/26(水) 7:00配信

Bloomberg

政府と日本銀行は財政出動と大規模な金融緩和をいつまで続けるのか-。米欧の金融・財政問題に精通する内海孚元財務官は、金融政策頼みの副作用を懸念して正常化に向かう米欧と同様に、日銀も出口を模索するべきだとみている。

内海氏(83)は24日のインタビューで、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は物価目標を達成していないにもかかわらず、金融危機を受けて展開してきた金融緩和の縮小に動いていると指摘。その理由は、為替相場の安定に配慮しつつも、「経済危機などへの備えが全くなくて良いのかという問題意識が強まっている」からだと述べ、日本はそういう意識が「全くない」と語った。

2015年末から利上げ局面に入ったFRBは、今秋には4兆ドルを超えるバランスシートの縮小も打ち出す見通しだ。ECBも来年から量的緩和の縮小を始める可能性が高い。一方、日銀は金利コントロール策とともに、インフレ率が2%の物価目標を安定的に上回るまで金融緩和を続けると言明。財務官として内海氏の5代後輩に当たる黒田東彦総裁は、出口について具体的に語るのは時期尚早との姿勢を崩していない。

内海氏は潜在成長率が1%にも満たない日本経済が政府が掲げる名目3%・実質2%成長を持続的に達成するのは極めて困難だと指摘。日米欧の「3大通貨圏の中銀がインフレ目標の引き下げで足並みをそろえるといった大げさなドラマを演じなくても、事実上の柔軟化を図れば良い」と述べた。「物価は金融政策だけで決まるわけではない。日銀はもっと景気の良し悪しを重視すべきだ」と話した。

日銀は先週公表した景気・物価見通しで成長率を引き上げる半面、物価は下方修正し、2%達成の時期を「19年度ごろ」に先送りした。黒田総裁は物価上昇のモメンタムは維持されているとして、金融緩和を続ける意義を指摘。2%目標の根拠は、消費者物価の統計が実態より高めに出る癖、景気後退時などに経済を下支えするのり代、インフレ率が他国と同じなら為替相場が長期的に安定する-と説明している。

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最終更新:7/26(水) 14:35
Bloomberg