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衰えぬコンサート人気 沢田研二が貫いた“独自路線”の矜持

7/27(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 歌手のコンサートが全国各地で本格的に始まっている。松田聖子、浜崎あゆみらコンサートを主体にした人気歌手の情報は定期便のように報じられるが、今年は話題も少なく、やや低調気味。そんななか、あまりメディアに取り上げられなくとも、絶大なコンサート人気を誇るのが御年・69歳になる沢田研二だ。

 7月16日に始まった「デビュー50周年記念コンサート」は来年1月まで全国60カ所、66公演のロングラン。コンサートは人気のバロメーター。この数の公演をできるのは衰えぬ人気の証しでもある。

「人気のあった往年の歌手でも一人で会場をいっぱいにするのは難しい時代。今は何人かが集まってコンサートすれば満席にできるという発想から“夢”グループ主催のコンサートに参加するのが最近の傾向。ちなみにネットなど苦手な年配客が多いことから、新聞広告を多く出して電話で申し込めるシステムをとっている」(音楽関係者)

 いまだに単独公演ができる沢田人気の凄さは際立つが、他の歌手と一線を画すように沢田は独自の路線を貫いてきた。

 GS全盛時は「タイガース」の人気ボーカル。ソロになっても「ジュリー」の愛称で数々のヒット曲を飛ばしてきた。化粧や肌を露出した衣装などビジュアル面でも女性ファンを魅了。当時は「男が化粧」と非難する声もあったが、それは百も承知。「敵・味方が半々。それがちょうどいいバランス」という沢田側の作戦だったという。

 紆余曲折ありながらも順風満帆に見えた沢田だったが、95年に「自分のやりたいようにやっていきたい」と方向転換。すべてのテレビ番組から消えた。業界のしがらみを捨て、コンサート中心の活動に切り替えたのである。こんな話を聞いた。

「彼はアイドル的な人気歌手としてやっていくか、縛りのない普通の歌手になるか悩み、再婚相手の田中裕子にも相談。出した結論が後者だったそうです」(芸能関係者)

 すでに昔のセクシーなジュリーの面影はない。年相応にお腹の出た体形と薄くなった頭髪。「もうビジュアルを気にする必要はなくなった」ことの証しでもあろう。全盛期は口数の少ない寡黙な歌手という作られたイメージも脱ぎ捨て、反戦や反原発をコンサートで訴える。素の沢田研二が舞台に立っている。それでもファンは毎年のように会場に足を運び、「ジュリー」と黄色い声援を送る。沢田の生き方も後輩歌手の指針になるかもしれない。
(二田一比古/ジャーナリスト)