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5G時代もWi-Fiの重要性は変わらない、「互いに補完し合う関係が続く」

7/27(木) 8:10配信

MONOist

 Wi-Fi Allianceは2017年7月26日、東京都内で会見を開き、無線LAN規格であるWi-Fiの最新状況について説明した。同アライアンス マーケティング担当 バイスプレジデントのケビン・ロビンソン(Kevin Robinson)氏は「2020年以降に実用化される5G時代を迎えても、携帯電話通信(セルラー)とWi-Fiは互いに補完し合う関係が続いていくだろう」と述べ、今後もWi-Fiの果たす役割の重要性は変わらないという見方を示した。

【Wi-Fiデバイスの累計出荷台数などその他の画像】

 Wi-Fiは、PCやスマートフォンをはじめ広く普及している。現時点で約80億台のWi-Fi搭載デバイスが使用されており、2021年までに累計出荷台数は320億台以上に達する見込みだ。Wi-Fiの普及に合わせて、都市部を中心に無料のWi-Fiアクセスポイントが数多く設置されるようになっている。ロビンソン氏は「Wi-Fiチップセットの年間出荷台数は2021年に40億まで増える見込みだ。これは、16年もの間、互換性を持った形で継続的なイノベーションを続けてきた結果である」と強調する。

 チップセットの出荷ベースで現在の主力は802.11 acである。2018年からは最高通信速度が10Gbpsに達する次世代規格の802.11 axや、ミリ波の60GHz帯を用いるWiGigへの移行が始まるという。

●IoTでもWi-Fiが「間違いなく主流になる」

 このように広く普及しているWi-Fiだが、通信性能という観点では、5Gの登場によってセルラーに肩を並べられる見込み。5Gは、10Gbps以上の通信速度、1ms以下の低レイテンシなど802.11 axとほぼ同等であるからだ。性能面でWi-Fiの優位性はさほど大きいとはいえなくなる。

 ロビンソン氏は「5G時代を迎えてもインターネットインフラにおけるWi-Fiの重要性は変わらない。5Gの価値を有効に生み出すためにも、なおさらWi-Fiは必要不可欠だ」と述べる。例えば、固定回線を含めた現在のインターネットトラフィックの半分以上はWi-Fiが担っている。「Wi-Fiの通信量はセルラーの10~12倍にもなる。もし今すぐWi-Fiが無くなれば、セルラーネットワークは通信を支えきれず崩壊するだろう」(ロビンソン氏)という。加えて、各国政府からの免許取得が必要なセルラーとは異なり、Wi-Fiは免許が不要なこともあって低コストに運用できるというメリットもある。

 とはいえ、Wi-Fiにもさまざまな課題がある。先述したように、市街地などでは数多くのWi-Fiアクセスポイントが存在しているが、それらを適切に切り替えていくことは容易とはいえない。そこで高密度にWi-Fiアクセスポイントが存在する場合に適切な通信接続性を担保する「マネージドWi-Fiネットワーク」の実現に向けて策定しているのが「Wi-Fi Vantage」だ。

 この他、HDや4Kの映像を伝送する「Wi-Fi Miracast」や、デバイス間での時刻同期を行う「Wi-Fi TimeSync」などの規格を策定している。

 IoT(モノのインターネット)においてWi-Fiが果たす役割については「ネイティブにIPに対応している無線通信はWi-Fiだ。IoTは通信頻度が低いことが多いが、Wi-Fiも長時間のスリープが可能になっており、必要な時だけ通信を行えるようになっている。さらに、サブGHz帯を用いるWi-Fi HaLowによって長距離通信にも対応できる。多様な用途で間違いなくIoTの主流になる」(ロビンソン氏)としている。

最終更新:7/27(木) 8:10
MONOist