ここから本文です

五島美術館が国登録有形文化財(建造物)に 茶室「古経楼」「冨士見亭」など /東京

7/27(木) 7:00配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 五島美術館(世田谷区上野毛3)の敷地内に建つ「本館」「古経楼(こきょうろう)」「冨士見亭」が7月21日、国の登録有形文化財(建造物)に指定される予定であることがわかった。(二子玉川経済新聞)

五島美術館古経楼 南側外観

 同館は東京急行電鉄の初代会長・五島慶太が設立の構想を練り、1960(昭和35)年4月に開館した。約6000坪の敷地には吉田五十八氏設計の本館、庭園と散策路、茶室「古経楼」や立礼席「冨士見亭」などがある。

 「本館」は、鉄筋コンクリート造平屋建てで一部2階、地下1階の構造。建築面積は1143.36平方メートル。東急電鉄の創業者五島慶太の喜寿を記念し1960(昭和35)年に建てられたもので、寝殿造りを参照した平面や大径の丸柱、蔀戸(しとみど)や御簾(みす)の建具意匠などを取り入れた「平安朝」の建築意匠を模した建造物。日本近代の代表的建築家の一人である吉田五十八による鉄筋コンクリート造和風建築作品の代表例の一つでもある。

 「古経楼」は、木造平屋建てで瓦葺(ぶ)きの構造。建築面積は128.16平方メートル。五島が同地を取得する以前に所有していた政治家の田健治郎が、1906(明治39)年に茶寮を新築したことに由来する。東宮(後の昭和天皇)の行啓を契機に、1922(大正11)年に大きな改造がなされ、現在の室内意匠が形成された。その後同地を取得した五島により、1940(昭和15)年、茶室小間を増築するなどし、現在の形に整えられた。増築された部分は、四畳台目で、高台寺旧小方丈茶室を写した近代茶室の好例という。

 「冨士見亭」は、木造平屋建て、瓦葺の構造で建築面積41平方メートル。五島が最晩年に建築したもので、本人が設計に関わったことが明らかな唯一の茶室であり、1957(昭和32)年に完成した。土間と畳敷きを併用し、座礼だけでなく、可動式の客卓を用いて立礼式の両立も可能と意図した独特の茶室とされている。西大寺旧山門の古材を床柱や亭主座脇の柱に用い、南面の窓から遠方の富士山を眺められる工夫を施している。

 世田谷区内ではほかに「国士舘大講堂」(世田谷区世田谷)の登録もあった。区内の国登録有形文化財(建造物)はこれまでの18件に今回4件に加え全22件になった。

みんなの経済新聞ネットワーク