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[特集]激安価格の裏側は? ドンキ4Kテレビの仕掛け人を直撃

7/27(木) 19:00配信

BCN

[特集]激安価格の裏側は? ドンキ4Kテレビの仕掛け人を直撃

格安4Kテレビとして話題になったドン・キホーテの「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ(LE-5050TS4K-BK)」

 「ジェネリックREGZA」や「ドグザ(ドン・キホーテが発売する「REGZA」の意)」とあだ名され、異例のヒット商品となったドン・キホーテの4K対応テレビ「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ(LE-5050TS4K-BK)」。6月15日の発売から1週間で初回生産分3000台が完売。7月14日に予約を再開したが、追加分の1400台は即日予約終了。ここまで大きな反響を呼んだ理由は、間違いなく、税別で5万4800円、税込みでも6万円を切る価格破壊ともいえる低価格だろう。

 仕掛け人であるドン・キホーテのSPA開発本部 SPA推進室 トレンドセレクトカテゴリー 企画・開発課 家電責任者 サブマネージャーの水橋晃司氏と、トレンドセレクトMD開発本部 35GP兼36GPシニアマーチャンダイザー AV担当 マネージャーの寺尾尚之氏に激安価格の裏側を聞いた。

●“6万円切り”は計画通り 価格ありきで開発スタート

 PBブランド「情熱価格」でテレビが初登場したのは2009年。「13.3インチ スケルトン地上波デジタルハイビジョンテレビ」を第一弾としてリリースした。14年には大型モデルの販売も開始、以降も新製品の投入を重ねたが「かなり攻めた価格だったが、お客様の反応はいまひとつだった」と水橋氏は振り返る。

 「情熱価格PLUS」から登場した今回の4Kテレビは、PBブランドとしてはおよそ1年ぶりの新製品。立ち上がりから「価格ありき」の企画だったという。「スタートした1年前から税込みで6万円を切るという目安はあった」。6万円という価格は店頭で販売している現行モデルから算出した。「2Kの50型モデルが3万9800円(税別)なので、4Kの付加価値を考えると高くてもプラス2万円」と見積もったそうだ。

 発売がこのタイミングになったのは、価格調整に時間がかかったこともあるが、それだけが理由ではない。水橋氏は「地上波で4K放送開始の目途が立っていないこともあり、あまり肯定的ではなかった。最近になってインターネット経由で4Kコンテンツを視聴する手段が確立され、それならということで導入に踏み切った」と語る。ストリーミングデバイスの販売が好調であることから、テレビをネット接続して利用する顧客が増えているという判断もあった。

●予想外の注目を集めた東芝製メインボード コラボモデルとの誤解も

 東芝映像ソリューションのメインボードを採用しているので誤解されがちだが、ドンキの4Kテレビは東芝とのコラボレーションモデルではない。寺尾氏は「縁があって」と強調したが、「価格や性能の見合いでPB委託先のパートナーが仕入れた部材が、たまたま東芝映像ソリューション製だった」というのが真相のようだ。そもそも東芝映像ソリューションのメインボードはさまざまなテレビで採用されており、特筆する事項ではない。価格のインパクトで注目を集めた結果、予期せずフォーカスされてしまったというのが実際のところだろう。

 たしかに東芝の「REGZA」と共通する部分は多い。例えば、番組表や設定画面は「REGZA」とほとんど同じインターフェースだ。また、外部機器のレスポンス速度が高速であることも「REGZA」由来の特徴といえるだろう。ノートPCをHDMIで接続して測定すると、遅延は0.1秒程度。これは他社メーカーの4Kテレビの基準だと十分に高い水準といえる。

 一方で、録画機能は、外付けHDDへの録画や裏番組の録画など、最小限に絞ってある。フルHDの映像を4K画質にスケールアップするアップコンバート機能も非搭載だ。

 機能と合わせて、コストカットに貢献しているのがきょう体だ。寺尾氏は「キャビネットやリモコンなどは汎用のパーツは流用している」と開発の事情を説明する。3系統あるHDMI端子のうち、4K対応は1系統のみなど、4K仕様に徹底しきれていない部分があるのもそのためだ。

 初回生産分の“3000台”はメーカーが販売するテレビであれば物足りなく感じるが、家電専売ではないドンキの基準で考えると決して少ない数字ではない。寺尾氏によると「46型以上のテレビの生産は年間でおよそ1万2000~3000台」で、「3000台は実はかなり強気の数字」とのこと。ドンキ側からしても予想をはるかに上回る反響だったようだ。

 残念ながら「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ」は、生産終了。現時点では安定した供給が難しいと判断した。時期は未定だが、「次の情熱価格ブランドの4K対応テレビは、企画中ではあるが検討している」という。今回の衝撃価格に匹敵する新製品は、はたしていつ出てくるのか、ラインアップは増えるのか。にわかに盛り上がっている大手メーカー以外の新たな4Kテレビの潮流が市場全体に与える波紋にも注目したい。(BCN・大蔵 大輔)

最終更新:7/27(木) 19:00
BCN