ここから本文です

ニセ矢印であわや滑落 富士山の悪質落書きは罪に問われるか

7/27(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 富士山で先月見つかった正しい登山道とは別の方向を示す矢印の落書き。25日、静岡県と環境省が復旧方法など対応を協議した。矢印の示す方向は足場が悪く、滑落の可能性もあるというからゾッとする。単なるいたずらのつもりでも、重大事故が起きれば、刑事責任も発生するというから要注意だ。

 現地の静岡・小山町によると、先月20日、富士山の静岡県側にある須走口の本7合目付近で、近くの山小屋の男性経営者が矢印の落書きを見つけた。約300メートルにわたって岩などに白いペンキで書かれた矢印や丸印が42カ所確認されたという。小山町商工観光課の担当者はこう言う。

「矢印が示していた方向は道ではなく斜面です。実際に矢印に従って進んだ登山者もいました。幸い山小屋のスタッフが見つけて声を掛け、滑落などの重大事故には至りませんでした。これまでも落書きは確認されていますが、今回のような悪質なケースは初めて。いったい誰がどんな意図で書いたのでしょうか」

 静岡県によると、富士山の落書きは「文化財保護法」と「自然公園法」に抵触するという。

「登山者にとって標識は極めて重要な情報です。それが間違っていると、滑落や遭難にもつながりかねません。今回のケースでは、矢印に従うと高い確率で滑落するわけではなく、現に事故も起こっていないので、刑事事件にはならないでしょう。ただし、事故が起き、落書きとの因果関係がハッキリしている場合は、刑事責任が問われることもあり得ます」(刑事事件に詳しい中川亮弁護士)

 落書きで殺人罪なんてことにならないように。