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RSSリーダーは“オワコン”なのか? スマホ・SNS時代の情報収集を考える

7/27(木) 10:26配信

ITmedia NEWS

 ついに、このときが来てしまったか――“とある報告”を目にし、呆然としていると、Twitterでも同士たちの“嘆きの声”が聞こえてきた。

【画像:RSSが便利な理由】

 7月24日、ドワンゴがRSSリーダー「Live Dwango Reader」を8月31日に終了すると発表した。2006年にライブドア(現LINE)が「livedoor Reader」としてサービスを開始。豊富なショートカットキーに対応し、その利便性の高さからいくつかあるRSSリーダーの中でも人気が高く、記者自身も約10年愛用し続けてきた。

  実は14年10月にも1度サービス終了が発表され冷や汗をかいたものだが、そのときは継続を求めるユーザーたちの声が殺到し、終了を撤回。ドワンゴに譲渡し、今のLive Dwango Readerへと名称を変更して継続してきた。

 ……からの、サービス終了である。

 「この数年で利用者も大幅に減少しており、サービスとしての役割を終えたと考え、終了という判断に至りました」(公式サイトより)

 今も毎日欠かさず使っている身としては非常に困るのだが、スマートフォンやTwitter/FacebookなどのSNS、SmartNewsなどのキュレーションアプリの普及で、情報収集の方法が変わってきたことも事実だ。「RSSリーダーって何?」という人もいるだろう。

 RSSリーダーは、Webサイトの新着情報を一括管理できるもので、日々情報が流れていくSNSが「フロー型」だとすれば、RSSリーダーは「ストック型」の情報収集ツールともいえる。お気に入りのサイトなどを登録しておけば、元のサイトにアクセスしなくても、日付、タイトル、内容の要約などの更新情報を一括でチェックできる。絶対見逃したくないブログやWebサイトなどを購読したいときに便利なのだ。

 いくつもサイトを登録し、こまめにチェックしていないと更新情報はどんどんたまっていく。本の“積ん読”のイメージに近い。「未読エントリ1万件」とあるのを、1日の始まり(もしくは終わり)に少しずつ消化していくのもRSSリーダーの楽しみ方(?)の1つだ(読み切れずに一括既読にするパターンも多い)。記者の場合、利用はもっぱらPCから。スマホアプリも一度試したが、大量の情報を一気に消化するにはやはりPCが向いていると感じた。

 もちろん、スマホを使ってSNSやキュレーションアプリで情報収集もしているのだが、「逃したくない情報」が多岐にわたる場合は、RSSリーダーの出番だ。最近はまとめサイトやキュレーションアプリで情報を斜め読みする機会も増えているが、RSSリーダーは元サイトを登録することで、しっかりと「一次ソースに当たれる」ツールでもある。

 11年に就職活動をしていたころ、ニュースサイトを運営する企業の面接でよく「普段、何を使って情報収集してる?」と聞かれていた。当時は既にTwitterやFacebookが普及していたが、SmartNewsなどのキュレーションアプリはまだなかった。企業側も、若者がどんなアプリを使っているのか知りたかった面もあるのだろう。

 「SNSも使いますが、主にはてなブックマークで話題を探し、livedoor Readerでお気に入りのサイトを巡回します」

 こう答えると、大体「イマドキの子もRSSリーダーを使うんだ」と驚かれた。人によっては「硬派だね」と笑う。

 「(RSSの)巡回があるので、今日は帰ります」なんて言いながら飲み会をパスしていたころを懐かしみつつ、RSSリーダーがどんな役割を果たしていたのか、いま一度振り返ってみたい。

●「膨大な情報を逃さず見たい」人たち

 07年に1人暮らしをはじめ、マイPCを入手してからは「カトゆー家断絶」「まなめはうす」「ー`)<淡々と更新し続けるぞ雑記。ωもみゅもみゅ」「駄文にゅうす」など、個人ニュースサイトを毎日チェックすることが楽しみとなった(一部個人ニュースサイトとしての更新は終了)。

 これら個人ニュースサイトで大量に更新される情報を見るのに、RSSリーダーは便利だった。特にlivedoor Reader(当時)はショートカットキーが豊富で、「s」「a」「j」「k」「v」の5つで大体事足りる。フィード間の移動やスクロールの機能を持つs、a、j、kで更新された記事の見出しを流し見しながら、気になる記事があればvで元記事を開く、といった具合だ。

 日々膨大な情報を取捨選択する個人ニュースサイト管理人たちにインタビューしたときも、彼ら自身、SNSを使いながらもRSSリーダーを使っているという人が少なくなかった。また、個人ニュースサイトをはじめ、SNSアカウントで情報発信していない個人ブログやサイトもまだまだある。いちいちサイトをブックマークするよりは、 RSSリーダーでチェックする方が断然早い。

 また、RSSリーダーは新着情報を自動的に取得するため、元サイトで削除された記事もRSSリーダー上では閲覧できる場合があったりする。思わぬ形で、削除された元記事に触れることも何度かあった。「このサイトしばらく更新されてないな」と気付くのもRSSリーダーあるある。SNSで発言がないとそのユーザーの存在そのものを忘れがちだが、RSSリーダーでは「更新していない」という情報も目に入ってくる。

 年に1度、更新されてないサイトの購読を停止するなど、フィード(登録サイト)の大掃除をするのも恒例となっていたが、もうそれをすることもなくなる。

 Live Dwango Readerで表示される新着情報の要約には、広告など目的以外の情報が入っていない(その部分以外にはいくつか広告あり)。ユーザー的にはありがたいが、ビジネスモデル的には持続的な運営が難しいといえる。

 13年にGoogleリーダーが終了したとき、受け入れ先としても活躍したLive Dwango Reader。ドワンゴは、Live Dwango Reader終了後の移行先として 「AOL Reader」「Feedly」「Inoreader」などの他社サービスを薦めている。

 記者も Live Dwango Reader終了の日に備えて以前からFeedlyを兼用しているが、操作や閲覧方法がいまだに慣れない。10年の壁は大きい。

 「もう何年も使っていたのに」「また1つ、選択肢が減ってしまうのか」──そんな同志たちは次はどこに引っ越していくのだろうか。

(村上 万純)

最終更新:7/27(木) 10:26
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