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脱獄犯が撮影した実録「プリズン・ブレイク」動画が公開

7/27(木) 15:12配信

ITmedia NEWS

[AP通信] 3人の受刑者が刑務所内にこっそり持ち込んだスマートフォンで撮影した動画には、2016年に米カリフォルニア州南部サンタアナの刑務所で起きた脱獄事件において、3人が重警備棟の通気口から段取りよく脱出する様子や、逃亡中の何日間かの様子が収められている。

【脱走現場の画像】

 ロサンゼルスのテレビ局KNBC-TVは7月25日、この動画を放送した。動画は検察ではなく、この事件を担当する弁護士から提供されたものだという。

 テンポよく編集された動画には、この脱獄事件とその後の捜索について報じるテレビのニュース番組の一部も使われている。さらに、脱獄者の1人が動画撮影後に録音したであろうナレーションも追加され、本人自らが脱獄の様子を解説。現行の法制度に対する疑問も訴えている。

 動画には、サンタアナ刑務所の「Module F」と呼ばれる重警備棟の内部の様子も収められている。受刑者たちがどのようにしてスマートフォンを入手し、刑務所内で撮影できたのかは、定かではない。

 動画のナレーションで、アダム・ホセイン・ナエリ受刑者は次のように語っている。「奇術師ハリー・フーディーニの脱出マジックみたいに、俺たちがわずか8分間で脱出できると思いたがる人は多い。面白いけれど、これはただの俗説だ。俺たちは実際、点呼の後に房室を出た。でも刑務所側が言っている回の点呼ではない。俺は前の晩の少なくとも8時間は早い時間に房室を抜け出した」

 重警備棟の受刑者たちは、ナエリ受刑者の撮影に気付いている様子だが、誰もカメラに反応はしていない。脱獄仲間のバク・ズオン受刑者だけはカメラに向かってにっこりと笑いかけている。

 動画は続いて脱出の様子に移る。

 ナエリ受刑者が、予め切断しておいたベッドの脚の部分を慎重に持ち上げると、壁の金網スクリーンが四角く切り抜かれているのが見える。ナエリ受刑者はこの金網スクリーンを脇に移し、穴の中へと消えていく。

 3人は壁の内側の配管用シャフトの間を這って進む。ナエリ受刑者は途中、カメラに向かって親指を立て、OKサインをしてみせた。ジョナサン・ティウ受刑者はスマートフォンを向けられ、眩しそうに目を細めている。

 こうして受刑者らはついに刑務所の屋根にたどり着く。

 動画には、3人が地面に降りる様子は収められていない。これまでの報道によると、3人はベッドシーツを結んで下に垂らし、地面まで降りたようだ。ナエリ受刑者は動画で、「業務用ロープと工具箱、ダッフルバッグ、新しい服を用意した」と話している。

 動画はその後、3人がサンフランシスコの人気エリア、ヘイトアシュベリー地区の街角で順番にポーズを決めている写真へと続く。彼らが寝床にしていたワゴン車内で撮影したシーンも収められている。

 「今はこれが俺たちの家、俺たちのねぐらだ。水とか、基本的なものは揃っている。サンフランシスコの金曜の夜。サンフランシスコの特別な金曜の夜だ」とナエリ受刑者は満足気に話している。

 マリファナのパイプがちらっと映った他、ジャックダニエルのウイスキーボトルを手に取り嬉しそうに眺める様子も収められている。

 当局は1週間にわたって3人を捜索し、ようやく再逮捕にこぎ着けた。

 動画には、再逮捕時の様子は収められていない。代わりに、ナエリ受刑者は動画の最後の2分間のナレーションで次のように語っている。

 「俺たちは大勢の人たちを怖がらせ、多くの不安と恐怖を与えてしまった。それを考えると、申し訳ない。いい気分だとはとても言えない」

 さらにナエリ受刑者は動画で、彼らが誘拐したとされるタクシー運転手のロング・マーさんにも言及。マーさんはタクシーで3人を北に運んだくれたという。

 「この人は真のヒーローだ」とナエリ受刑者。「こうして落ち着いた態度で父親のように接してくれた」

 動画には、マーさんとティウ容疑者がビーチでカメラに向かってポーズをとる様子などを収めた写真も含まれている。

 オレンジ郡保安官事務所の広報担当者であるレーン・ラガレット警部補はKNBC-TVの取材に応じ、この動画は現在進行中の捜査に関するものであり、保安官事務所がメディアに口頭で提供した情報と矛盾はない、とコメントしている。

 犯罪行為を軽視する内容の動画ナレーションについては「これ以上コメントするつもりはない」(同警部補)という。

 オレンジ郡の地区検察局は「現在係争中の事件であり、この動画についてコメントするのは適切ではない」との立場を示している。
(日本語翻訳 ITmedia NEWS)
(C) AP通信

最終更新:7/27(木) 15:12
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