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米鉄鋼大手、4~6月期業績回復。USスチールも黒字に

7/27(木) 6:03配信

鉄鋼新聞

 米国鉄鋼メーカーの業績が回復している。4~6月期(2Q)の連結決算では、高炉大手で不振が際立っていたUSスチールが2億6100万ドル(約290億円)の純利益を上げ、3四半期ぶりに最終黒字へ浮上。AKスチールも2Qの純利益が6120万ドル(約70億円)となり、2四半期連続の黒字だった。

 USSは、売却したカナダ事業で7200万ドルの戻し益があったこともあり、2014年10~12月期以来となる2億ドル台の純利益を上げた。本業自体も回復しており、部門別の営業損益(EBIT)は米国鋼板事業が2億1800万ドルの黒字で、1~3月期から約3億ドル改善した。
 これまでUSSは鋼板と鋼管の主力2部門が「共倒れ」状態で苦戦してきた。鋼管事業は依然2900万ドルの赤字だが、鋼材値上げの浸透で鋼板事業は立ち直りを見せている。唯一、堅調を続けてきた欧州事業でも5500万ドルを稼いだ。
 AKスチールはリーマン・ショック後の2Q業績では最高益だった。自動車向けの需要が減少したものの、鋼材平均販価が1058ドルと前年同期から101ドル値上がりしたのが寄与した。
 米国市場は輸入材に対するアンチダンピング(反不当廉売=AD)措置などが奏功し、熱延コイルはメトリックトン換算で700ドルに迫る水準にある。他の国際市場と比べ200ドルほど高く、高コスト体質の米高炉でも利益を上げられる状況だ。
 一方、競争力が高い米電炉最大手のニューコアと比べ、米高炉の利益水準はなお低い。2Qの鋼材出荷はニューコアの635万ネットトン(前年同期比7%増)に対し、USS(欧州事業と鋼管事業の18万Nトンを除く)は250万Nトン(同7%減)、AKは147万Nトン(同6%減)と高炉2社は減らしている。
 高炉2社はシェア奪還に向け、輸入材のさらなる締め出しを企図し、トランプ政権による通商拡大法232条の発動を働きかけている。業績は回復しているものの、実力で立ち直ったとは言い難い状況だ。

最終更新:7/27(木) 6:03
鉄鋼新聞