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「熱中すること」は育つこと ~ぜひこの夏に「熱中」体験を~

7/27(木) 12:07配信

ベネッセ 教育情報サイト

発達心理学の研究によると、人間の赤ちゃんは生まれながらにして知的好奇心にあふれているそうです。自分から積極的に外の世界を探索し、情報を取り込みます。子どもが成長すると、それは強い興味や熱中につながっていきます。新しくできるようになった自分の力を使って試し、発見し、喜びを感じ、それが次の活動へと展開します。つまり、子どもが何かに熱中することは、子どもが学び、育つことそのものなのです。
しかし、2016年に、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行った調査では、「熱中していること」がない子どもが多くいることがわかりました。「熱中」体験による子どもの育ちを支援したいものです。

1.「熱中していること」がある子どもは6割弱

まず、図1は、全国の小学4年生から高校3年生の子どもたちに、「いま、熱中していること(興味があること)」があるかどうかを尋ねた結果です。

これをみると、「熱中していること」がある子どもは6割弱(57.3%)であり、残りの4割以上の子どもが「熱中していること」がないことがわかります。また、学年別にみると、小学4年生から中学1年生は6割以上ですが、中学1年生をピークに比率が下がり続け、高校3年生では4割(39.4%)になっています。

調査を実施する前、私たちは、高校生ほど比率が高まると予想していました。なぜなら、それまでの多様な経験や、知っている世界の広がりのなかで、「熱中したいもの」が見つかるだろうと考えたからです。しかし、結果は逆。子どもたちは、学年が上がるにつれて、熱中したいことを持てなくなっているようです。

2.「熱中していること」がある子どもほど「挑戦したい」気持ちを持っている

高校生ほど「熱中していること」を持てない理由ははっきりしません。生活の忙しさなどが理由の1つかもしれません。しかし、子どもたちには是非、「熱中したいこと」を見つけてほしいものです。

なぜなら、図2-1、図2-2は、「熱中していること(興味があること)」の有無別に、子ども自身の気持ち(「挑戦したい」かどうか)や得意なことを尋ねた結果ですが、「熱中していること」がある子どもは、ない子どもに比べて、「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」(とてもあてはまる+まああてはまる)という気持ちを持っています。また、「他の人が思いつかないアイデアを出すこと」が「得意」(とても+やや)と回答する比率も高いです。熱中する経験は、子どもたちを新たな「挑戦」に向かわせたり、新たな「発想」を獲得させたりすると考えられます。

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